Michael Francis Gore Ahmed Eljechtimi
[セウタ(スペイン)/フニデク(モロッコ) 31日 ロイター] - スペインは31日、北アフリカにある同国の飛び地セウタに殺到した大規模な移民流入について、今週、陸路・海路で越境した約5万人のうち大半は既にモロッコへ自主的に帰還していると明らかにした。
セウタのスペイン政府代表は、スペイン側で57人の遺体が収容されたほか、モロッコ側でもさらに犠牲者が出ている可能性があると述べた。溺死したり、国境フェンスを支える防波堤をよじ登ろうとして圧死した人もいたという。
スペイン内務省によると、30日朝以降で越境者の数は約5万人に上る。現地時間31日午後6時(日本時間8月1日午前1時)時点で4万8300人が既に帰還したと推計している。
スペインのサンチェス首相は31日にセウタを視察し、抗議者から罵声を浴びた。サンチェス氏は今回の大規模な越境行為を「スペインの領土主権に対する侵害」と非難し、モロッコの全面的な協力を得て、不法入国者の送還を加速させていると説明した。
今回の移民の越境は欧州内で分断を引き起こしており、他の欧州連合(EU)加盟国の首脳らがスペインに事態収拾を求める事態となっている。
イタリアは欧州域内の自由往来を可能とするシェンゲン協定について、スペインとの間で適用を停止すると発表。フランスのニュネス内相は、スペインとの国境の警察配置を8月1日までに5倍に増強し、航空監視や列車での巡回を強化すると述べた。
米国務省はXへの投稿で、今回の責任はスペイン政府にあり、同国の移民政策の直接的な結果によるものだと指摘。「われわれは国内外の米国人をこの脅威から守るための行動を検討しており、同様の選択肢を検討している他の欧州の同盟国を支援する用意がある」と表明した。
これに先立ち、スペインのトーレス領土政策相はスペイン最高裁の判断が今回の急増につながった可能性があるとの見方を示した。最高裁は7月、セウタやメリリャを目指して海を渡る途中で拘束された移民について、両飛び地に適用される特別な「国境での入境拒否」制度に基づく即時送還はできないとの判断を示した。同制度は国境フェンスを越えようとして拘束された人々を当局が直ちに送還することを認めている。