Pritam Biswas

[30日 ロイター] - ニューヨーク証券取引所(NYSE)を傘下に置く米インターコンチネンタル取引所(ICE)は30日、債券電子取引プラットフォーム大手マーケットアクセス・ホールディングスを57億ドルで買収すると発表した。債券など固定利付商品の事業基盤強化が狙いだ。

ICEはマーケットアクセスの発行済み全株式を1株当たり167ドルの現金で取得する。提示額は前日終値に対して33%のプレミアムを上乗せした水準となる。

取引所運営会社の株価は、満期日(決済期限)のない「永久先物」が将来的に株式取引へも拡大して従来型取引所から取引を奪うとの懸念から、総じて軟調に推移している。ICE株も2026年に入ってから約5%下落していた。

RBCキャピタル・マーケッツのアナリストチームは「ICEは今回の買収により、固定利付商品の取引活発化の恩恵を取り込める」と指摘。永久先物や高水準の住宅ローン金利、生成人工知能(AI)を巡る懸念から投資家の関心をそらす効果もあるとの見方を示した。

ICEは、買収後の統合プラットフォームで事前の価格分析、電子執行、取引後のコンプライアンス機能を一体的に提供する方針。ジェフ・スプレッチャー最高経営責任者(CEO)は「透明性が高く、効率的で完全に接続された、誰もが利用できる市場基盤を実現する」とコメントした。

買収は規制当局の承認などを経て2027年半ばまでに手続きが完了する見込み。資金は新規社債の発行やタームローン、コマーシャルペーパー(CP)で調達する。ICEは、買収完了後初年度から調整後1株利益の押し上げ要因になるとしている。

アナリストの間では、個人向け債券取引プラットフォームや固定利付データ事業を展開するICEは、マーケットアクセスの最も有力な買い手候補とみられていた。レイモンド・ジェームズのアナリストチームは、規制当局の承認取得は比較的容易だろうとみている。

ICEが同日発表した第2・四半期決算は、米国とイランを巡る地政学的緊張や金利見通し、AI関連の期待変化に伴う市場変動が追い風となり、株主帰属の調整後純利益は1株当たり1.90ドルと、市場予想の1.84ドルを上回った。投資家のリスクヘッジ需要拡大を受け、金利商品の1日平均取引高は前年同期比24%増、農産物と金属商品の取引高は36%増加した。

固定利付・データサービス部門の売上高は前年同期比8%増。一方、エネルギー部門は石油市場の変動拡大の恩恵を受けたものの、部門売上高は13%減少した。主力の取引所部門の売上高は3%増の14億6000万ドル、住宅ローンテクノロジー部門の売上高は5%増だった。

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