AJ Vicens

[30日 ロイター] - 米国土安全保障省サイバー・インフラ安全局(CISA)や連邦捜査局(FBI)などの当局は30日、上下水道施設の維持・管理に使われているシステムを標的としたサイバー攻撃が大幅に増えていると警告した。またこの分野の運営事業者に対し、システムをできるだけ早くインターネットから切り離すよう要請した。

米国の水道施設を巡っては中西部ミネソタ州のIT当局が28日、州内で26、27両日に30を超える地域水道施設のシステムが「組織的なサイバー攻撃」の標的となったと公表したばかりだった。

FBIは30日夜、少なくとも7州の上下水道事業者がサイバー攻撃を受けたと報告があり、一部では水圧の低下や浸水が発生するなど「水道事業の運営に支障を来した」と説明した。

米紙ニューヨーク・タイムズは30日、ミネソタ州のシステムに対するサイバー攻撃はイランと関連のあるハッカーが関与している可能性が高いと報じた。イラン政府の当局者は、コメント要請に直ちには回答しなかった。

トランプ米政権はイランとの対立を激化させており、両国はミサイル攻撃の応酬を繰り広げている。

米国の水道施設を標的としたイラン関連のサイバー攻撃は、2月末の米国とイスラエルによるイラン攻撃に端を発した中東紛争の前から起きていた。ただ、3月には医療サービス企業のストライカーや、西部カリフォルニア州のロサンゼルス郡都市圏交通局といった米国内の組織に対してさまざまなグループによるサイバー攻撃が相次いだ。

複数の当局によると、ミネソタ州でのサイバー攻撃は水の安全性に脅威を与えるものではなかったものの、一部のシステムが停止し、手動で再起動する必要があった。標的にされたのは、システムが水道施設を遠隔から監視・制御するために使うプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)や、事業者がそれらを管理するために用いているコンピューター画面に関わるものだった。

ミネソタ州のジョン・イスラエル最高情報セキュリティー責任者は、同州が「連邦政府に関連情報を提供しており、連邦政府がより広範な国家の文脈で評価するとともに、特定のグループによる犯行なのかを特定するための調査を主導している」とコメントした。

CISAが30日発表した内容によると、ハッカーがパスワードを変更して運営事業者のアクセスを遮断し、特定のデバイスをネットワークから切り離したケースがあり、事業者が「水の煮沸勧告や手動操作の継続」に対応することを余儀なくされた。

元FBIサイバーセキュリティー担当高官のシンシア・カイザー氏はロイターに対し、ミネソタ州でのサイバー攻撃はCISAやFBI、国家安全保障局(NSA)などの政府機関が4月に勧告したように、イランと関連したハッカーによるPLCや、他の重要インフラ技術に対する過去の標的型サイバー攻撃の延長線上にある可能性が極めて高いとの見解を示した。

この勧告は7月22日に更新され、当初の対象よりも広範なデバイスが含まれ、ハッカーが抱える最新技術や活動が盛り込まれた。

カイザー氏は「新たな勧告が出されたという事実は、攻撃の拡大か、新たな技術の詳細、または活動の再開のいずれかがあったことを示唆しており、恐らくこれら全ての要素が組み合わさっているのだろう」と話した。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。