Nora Eckert

[デトロイト 30日 ロイター] - 米フォード・モーターのジム・ファーリー最高経営責任者(CEO)は30日に開いた従業員向けタウンホールミーティングで、米政府が中国車に対する複数の貿易障壁を設けているものの、中国自動車メーカーが今後5-10年の間に米市場へ参入する可能性に備えていると発言した。会議を視聴した3人が明らかにした。

ファーリー氏はBYD(比亜迪)など中国メーカーの競争力の高さについて業界内で最も積極的に警鐘を鳴らしてきた人物の1人。フォードは中国勢と同等のコスト競争力と効率性を実現することを目指し、新たな低価格電気自動車(EV)シリーズの投入準備を進めている。

この会合の質疑応答では、ファーリー氏ら経営幹部が中国メーカーの米市場参入は「5-10年」のうち後半の時期になる公算が大きいとの見方を示した。

フォードの広報担当者は非公開会合での発言内容についてのコメントを拒否した。

フォード経営陣はこれまでも、中国メーカーが米国市場の「目前まで来ている」と警告していたが、今回のような具体的な時間軸への言及はしていなかった。

ビル・フォード会長は今月開催されたイベントで「中国と真っ向から競争しなければならない。永遠に市場参入を阻止できるとは期待できず、相手と同じ土俵で打ち勝つ必要がある」と語っていた。

中国メーカーは隣国メキシコで市場シェアを大きく伸ばしているほか、カナダとの貿易協定に基づいて一定台数のEVをカナダで販売することが認められている。業界専門家の分析では、米国と市場特性が近いカナダが中国メーカーにとって米国進出を見据えた試験市場になる可能性がある。

各種調査によると、米国の消費者も中国メーカーの車両への関心を高めており、特に手頃な価格のEVの選択肢が少ないことから需要が見込まれている。

米国は現在、中国製EVに約100%の追加関税を設定。さらに米商務省は中国製ソフトウエアを搭載する車両について2027年モデル以降、中国製ハードウエアについては30年モデル以降の販売を原則禁止する規則を導入している。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。