Stephen Nellis
[サンフランシスコ 30日 ロイター] - 米アップルが30日発表した第3・四半期(6月27日終了)決算は売上高、利益ともに市場予想を上回った。電子機器業界全体で値上げが進む中、iPhoneやMacBook(マックブック)の売り上げが好調だったことが寄与した。ただ、第4・四半期の売上高の伸びについて、市場予想を下回る見通しを示したことで、株価は時間外取引で7.8%下落した。
ケバン・パレク最高財務責任者(CFO)はアナリストや投資家との電話会見で、第4・四半期の売上高の伸び率について前年同期比9─11%を見込んでいると説明した。LSEGがまとめたアナリスト予想の12%増を下回る。
ティム・クック最高経営責任者(CEO)は電話会見で、「現在、非常に大きな(供給)制約に直面しており、これを解消するためのサプライチェーンの柔軟性は限られている」と述べた。
第3・四半期の売上高は前年同期比16.4%増の1094億2000万ドル。LSEGのアナリスト予想(15.5%増の1086億5000万ドル)と、アップルが示した売上高伸び率見通し(14─17%)をいずれも上回った。売上高は世界の全ての地域で増加し、中華圏の売上高は22.4%増の188億2000万ドルだった。ただ、この中華圏の売上高は、ビジブル・アルファがアナリスト6人を対象に集計した予想平均の196億7000万ドルを下回った。
1株当たり利益は2.02ドルで、うち0.11ドルは米政府からの関税還付によるものだった。関税還付分を除いても、市場予想の1株当たり1.89ドルを上回った。
業績をけん引したiPhoneは、売上高が前年同期比21.7%増の542億5000万ドルと、LSEGのアナリスト予想(538億6000万ドル)を上回り、第3・四半期としては過去最高となった。
第3・四半期は通常、消費者が秋に発売される新モデルを待つ動きから販売が鈍り始める時期に当たる。ただ今年は、世界的なメモリー半導体の供給逼迫(ひっぱく)を背景としたMacとiPadの値上げを受け、消費者はiPhoneの購入を急いでいる。アップルはこれまで主力商品のiPhoneの価格引き上げは見送っているものの、アナリストの間では9月に開催される恒例の秋のイベントでiPhoneの価格が引き上げられるとの見方が強まっている。
テクナリシス・リサーチのチーフアナリスト、ボブ・オドネル氏は、第3・四半期の好調な販売が第4・四半期以降も続くかどうか投資家は懸念している可能性があると指摘。「値上げを控え、消費者が既存モデルの購入を続ける可能性はある。大きな問題は、新価格が完全に適用される今四半期のMacがどうなるかだ」と述べた。
Macの売上高は28.7%増の103億5000万ドルで、アナリスト予想(87億4000万ドル)を上回った。iPadの売上高は5.9%減の61億9000万ドルで、予想(69億2000万ドル)を下回った。
「App Store(アップ・ストア)」やiCloud(アイクラウド)、コンテンツ事業を含むサービス部門の売上高は12.1%増の307億4000万ドルで、市場予想(312億2000万ドル)を下回った。ウエアラブル部門は6.5%増の78億8000万ドルで、予想(78億2000万ドル)をわずかに上回った。
D・A・デビッドソンのアナリスト、ギル・ルリア氏は、サービス部門の成長が鈍化していると指摘。「iPhoneが20%を超える成長を続ける中でサービスが減速しているなら、iPhone販売が落ち着けば、サービス部門はさらに減速する可能性があるのではないかと投資家は懸念している」と述べた。
メモリーコストの上昇で圧迫が予想されていた売上総利益率は50.1%で、うち2ポイントは関税還付によるものだった。関税還付を除く売上総利益率は48.1%で、アップルが示したガイダンスの中央値およびLSEG集計のアナリスト予想(47.92%)を上回った。
クックCEOはロイターとのインタビューで、第3・四半期の主な供給制約は、同社デバイスの中核を成す「Apple Silicon(アップルシリコン)」チップの生産に使用される最先端のチップ製造技術の業界全体での不足だったとし、これは特に同社のMac製品群に当てはまると説明。ただ、値上げにもかかわらず、低価格モデルの「MacBook Neo(マックブック・ネオ)」やハイエンド機の「MacBook Pro(マックブック・プロ)」がけん引したと述べた。