Stephen Nellis

[サンフランシスコ 2日 ロイター] - 米マイクロソフトは2日、顧客企業が自社に最適な人工知能(AI)技術を採用して収益性向上につなげるのを支援する新会社を設立すると発表した。

この「マイクロソフト・フロンティア・カンパニー」はマイクロソフトから25億ドルの資金提供を受けて発足し、英食品・家庭用品大手ユニリーバやデンマーク製薬大手ノボ・ノルディスクといった顧客企業との業務を開始する。

大企業の間では、アンソロピックやオープンAIといった単一のプロバイダーからAIを提供してもらうのではなく、オープンソースモデルを含む複数の技術を組み合わせて自社のニーズに合わせる動きが広がっている。ただこうした取り組みはコストがかさみ、投資回収までの期間が長期化する要因になる。

そうした中でマイクロソフト・フロンティア・カンパニーは、マイクロソフト製か他社製かを問わず、AIツールの選定と、顧客独自の社内データへの統合を支援する。重要な点は、その成果がマイクロソフトに送り返されるのではなく、顧客側が保持できることにある。

この事業モデルは、エヌビディアのオープンソースモデルを活用して大企業向けに同様の業務を展開しているパランティア・テクノロジーズや、10億ドルを投じてエンジニアの常駐派遣部門を立ち上げたクラウド競合のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)に追随する形となる。

調査会社ムーア・インサイツ&ストラテジーのパトリック・ムーアヘッド最高経営責任者(CEO)は、大企業の間にはアンソロピックやオープンAIのモデルを使用することで、最終的にはこれらの先端AI企業に、コーディングや法務といった分野で自社と競合するためのノウハウを与えてしまうのではないかという懸念があると指摘した。

マイクロソフトは対話型AI「チャットGPT」を手がけるオープンAIの出資者だが、今年初めにはアンソロピックのサービスに対する企業需要の急増に応える形で、自社のAIアシスタント「コパイロット」にアンソロピックのモデルを追加していた。

マイクロソフト商用顧客部門トップのジャドソン・アルソフ氏は、当初オープンAIの技術に全面依存していた同社が、中国の「ディープシーク」やグーグルの「ジェミニ」などのモデルがオープンAIに追い付き始めた際に1社のモデルに縛られることの問題を経験したことが、新会社設立の一因になったと語った。

アルソフ氏はロイターに「(顧客が求めているのは)知能を増幅させるモデルであり、最新技術への切り替えや微調整が可能な『入れ替えやすさ』だった」と強調。顧客にとっては特定のモデル自体よりもデータとモデルの組み合わせの方が重要で、複数のAIモデルを迅速に切り替えられる柔軟性が必要だったと付け加えた。

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