[ドバイ/ベイルート 5日 ロイター] - イランがレバノンの親イラン武装組織ヒズボラへの支持を再確認し、イスラエルに対しレバノン南部から軍を撤退させるよう求める中、レバノンのアウン大統領は5日、イランは米国との協議でレバノンを交渉材料として利用しているとの認識を示し、米国とイランの戦闘終結に向けた暫定合意への道のりが複雑であることが改めて浮き彫りになった。
ヒズボラは4日、レバノンとイスラエルが3日に合意した停戦を拒否すると表明。イスラエルのカッツ国防相も、当面の間レバノンへの攻撃を継続し、レバノン南部から撤退しないと述べた。
こうした中、イランのアラグチ外相は4日夜、レバノンのテレビ局アル・マヤディーンに対し「レバノンでの戦闘終結は、イスラエル軍が占領している地域からの撤退を伴わなければならない」とし、米国との戦闘はレバノンでの戦闘が終結して初めて終わるとの考えを示した。
レバノンのベリ国会議長は5日、イスラエル軍がレバノンの占領地から同時に撤退する場合、ヒズボラがレバノン南部から撤収することに同意すると表明する文書を公表。今週発表された米国仲介の停戦枠組みは不公平と非難した上で、「リタニ川以南からのヒズボラの撤退に同意するが、同時にイスラエルは占領地域から撤退しなければならない」と語った。
一方、レバノンのアウン大統領は米CNNに対し、イランは米国との交渉でレバノンを交渉材料として利用していると指摘。アウン大統領はこれまでもレバノンを中東地域の紛争から切り離す姿勢を示しており、レバノンの安全保障に関する決定はレバノン政府のみが担うべきとの考えを示している。
レバノン南部のリタニ川はイスラエルとレバノンの国境からレバノン側に約30キロ入った一帯を東西に流れており、イスラエルのネタニヤフ首相は5月29日、イスラエル軍が同川を越えて北側に進軍したと明らかにした。