[ベルリン 29日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が29日発表した5月の消費者物価指数(CPI)速報値は、欧州連合(EU)基準(HICP)で前年同月比2.7%上昇し、伸びは前月の2.9%から鈍化した。一方、コアインフレ率は加速したものの、アナリストはイラン紛争に起因するコスト上昇圧力が経済全体に波及している兆候とは言えないとの見方を示した。

ロイターがまとめたアナリスト予想では、HICP上昇率は2.8%と見込まれていた。

総合インフレ率の低下は、エネルギー価格の上昇率が6.6%と、4月の10.1%から鈍化したことが主因とみられる。これは、紛争に伴う価格上昇の緩和に向けて政府が導入した燃料税の引き下げによるものだ。キャピタル・エコノミクスは、この引き下げがなければ総合インフレ率は3.0%に上昇していたと推定した。

一方、変動が激しい食品とエネルギー価格を除いたコア指数は前年同月比2.5%上昇と、4月の2.3%から伸びが加速した。

コメルツ銀行のシニアエコノミスト、ラルフ・ゾルフェーン氏は「一見すると、コアインフレ率の上昇は、エネルギー価格の間接的な影響が他の財(モノ)やサービスの価格に表れ始めた最初の兆候ではないかとの疑念を抱かせる」と指摘。しかし、この上昇はエネルギー価格の高止まりによる広範な影響を示すものではなく、​パッケージツアー価格の一時的な上昇によるものである可能性が高いとの見方を示した。

サービス価格の上昇率は3.1%と、伸びは前月の2.8%から加速した。キャピタル・エコノミクスのユーロ圏担当副チーフエコノミスト、ジャック・アレン・レイノルズ氏は、これは主にキリスト教の復活祭(イースター)の時期のずれによる影響であり、依然として2月の3.2%よりも低い水準にあると指摘した。

ドイツのインフレ統計は、6月2日に発表されるユーロ圏のインフレ率に先立つものとなる。ロイター調査によると、ユーロ圏の5月のインフレ率は前年同月比3.3%と、前月の3.0%から加速すると予想されている。

欧州中央銀行(ECB)は4月の理事会で金利を据え置いたが、インフレ率のさらなる上昇により、ECBが来月にも政策対応に踏み切る可能性が非常に高まっている。

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