Michael S. Derby
[ニューヨーク 29日 ロイター] - 米カンザスシティー地区連銀のシュミッド総裁は29日、すでに高水準にあるインフレを踏まえると、足元のエネルギーショックが物価に一時的な影響しか及ぼさず、連邦準備理事会(FRB)が無視できると想定するのは困難だという見解を示した。
アイスランドでの会議での講演で、「私の最大の懸念はインフレだ。インフレは過熱しており、目標を上回る状態があまりに長く続いている」と指摘。
「最近の物価上昇が許容できる期間内に一時的にとどまるという想定には、あまり信頼性を感じない」とし、「したがって、政策の正しい方向性を定める上で、インフレ率に引き続き焦点を当てていく」と述べた。
インフレ率が中銀の目標である2%を長期間上回っていることを考えると、「今は警戒を緩める時ではない」とした。
シュミッド総裁は講演後、中銀には金融政策の次の一手を検討する時間がまだあるとしつつ、金融政策をより引き締め的にする方法を検討する必要があるかもしれないと述べ、金利政策にとどまらずFRBのバランスシート運営も含めた対応の可能性を示した。
すでにインフレ高進の状況で原油ショックがどう展開するかに応じ「現段階ではあまり引き締め的ではなく、もう少し引き締め的にするためにどんな手段があるのか検討し始める必要があるとの議論が一部にあると思う」と指摘。「制約を生み出すための別の手段として改めてバランスシートに目を向けることもあり得る」と述べた。
シュミッド氏はまた、米国は過去に比べてエネルギーショックの影響を受けにくくなっているとしつつ、ガソリン価格の高騰は消費者の購買力を低下させていると述べた。
原油価格の上昇にもかかわらず、米国のエネルギー企業が増産に動いていないとも指摘した。
「私の管轄地域内の企業との対話からは、非常に慎重な姿勢がうかがえる」とし、「過去10年間で、私の知る企業の間では資本規律が格段に強化され、価格が依然として不確実な状況下では増産に消極的になっている」と述べた。
また、「ほとんどの経済指標は継続的な安定成長を示唆している」とし、「人工知能(AI)による混乱の可能性はあるものの、まだ顕在化しておらず、労働市場は均衡状態にあると考えている」と語った。