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[ワシントン 24日 ロイター] - トランプ米大統領はホワイトハウス東棟跡地でボールルーム(宴会場)建設を進めているが、今年に入って計画への言及が目立って増加するなど、宴会場に対する執着の強さが際立っている。国民がガソリン価格高騰に苦しんでいるにもかかわらず、「虚栄的な事業」とも批判される計画に突き進む姿には与党共和党内からも、11月の議会中間選挙を控えて有権者感情とずれていると懸念の声が上がっている。

トランプ氏は19日、記者団を宴会場建設現場に案内し、計画中の警備設備の一部について誇らしげに説明しつつ「それ(イランの戦争による米経済への打撃)は取るに足らないことだ。みんながしばらく耐えてくれていることに感謝する。そう長くは続かない」と述べた。

ロイターがトランプ氏の公開発言を精査したところ、今年に入り演説や交流サイト(SNS)投稿、記者団への発言などでの宴会場への言及は少なくとも40回に達し、5月だけで9回に上った。2025年は通年で35回だった。

ホワイトハウス高官の1人は「虚栄心のための事業」との民主党からの批判を否定。「レガシー(歴史的功績)の問題だ。大統領はこの計画に強い情熱を持っており、完成を望んでいる」と述べた。

トランプ氏が経済問題にどれほど言及しているかを正確に測るのは難しい。ただ、ガソリン価格が急騰する中でも、トランプ氏は戦争による経済的影響を繰り返し軽視し、国民に忍耐を求める一方、家計負担への具体的な言及はほとんどない。今月初めにイラン戦争の経済的影響について問われた際、「私は米国民の家計状況について考えていない」と口を滑らせた。この発言はSNS上で拡散し、民主党側の批判材料となった。

<共和党議員からも批判>

ロイターの調査によると、宴会場建設に加え、ワシントンのリフレクティング・プール(反射池)の改修や、高さ250フィート(約76メートル)の「インディペンデンス・アーチ(独立記念凱旋門)」建設計画などが、2期目のトランプ政権における「レガシー事業」の中心となっている。

トランプ氏は危機対応や外交首脳会談の最中でも、宴会場計画を前面に押し出してきた。ワシントン市内のホテルで暗殺未遂とみられる事件が起きた数時間後にも、この出来事を宴会場建設の必要性を訴える材料として利用。中国の習近平国家主席との重要会談後には、訪中経験が計画推進の根拠を強めたと自身のSNSで主張した。

一方、共和党主導の有権者調査では、宴会場やアーチ建設計画への懸念が広がっている。事情に詳しい共和党系選挙戦略担当者が匿名を条件に明らかにした。この関係者は「有権者に伝わっているメッセージは、トランプ氏が虚栄的な事業と外交問題に集中しているということだ。しかし有権者の関心はそこにはない」と眉をしかめる。

共和党のシンシア・ルミス上院議員(ワイオミング州選出)はインタビューで、ホワイトハウスの宴会場に注がれる関心は「間違いなく過剰だ」と指摘。「宴会場自体は民間資金で賄われるという点を、国民にもっと理解してもらえればよいのだが」と述べた。

トランプ氏は、富裕層の寄付や自己資金を通じて4億ドルを調達したと説明している。ただ、シークレットサービス(大統領警護隊)は、宴会場およびホワイトハウス施設全体の警備強化費として、10億ドルの税金投入を要求。共和党議員を含め、議会内で反発が出ている。

不安を強める共和党議員やホワイトハウス高官らはここ数カ月、11月の中間選挙を見据え、トランプ氏に対し経済問題へより注力するよう求めてきた。共和党の選挙ストラテジストの1人は匿名を条件に「トランプ氏は誰も関心を持たない話題を語り続けている」と語った。

トランプ氏は経済への懸念を問われるたび、インフレ抑制に成功したと繰り返し主張している。しかし政府統計はトランプ氏の主張とは異なる状況を示している。トランプ氏は経済の先行き不安についての質問には、株価上昇や海外からの巨額投資を誇示する形でかわしている。

ホワイトハウスは今年1月、トランプ氏が毎週各地を訪れ、共和党候補支援や経済問題への対応を訴えると予測していたが、実現には至っていない。トランプ氏は、年初には自身の経済実績をアピールするため頻繁に地方遊説を行っていたが、2月28日にイランを巡る戦争を始めて以降、ホワイトハウスか、週末を過ごすフロリダ州の私邸にとどまることが大半となっている。

<民主党に追い風>

一方、11月の中間選挙で共和党の議会支配を崩そうとする民主党側は、トランプ氏の「レガシー事業」への執着が追い風になるとみている。

民主党のラファエル・ウォーノック上院議員(ジョージア州選出)はロイターに「トランプ関税の影響で食料品価格が異常な高値となり、人々が生活費のやり繰りに苦しんでいる場面で、共和党が宴会場に集中しているとは信じ難い。鈍感という言葉では足りない」と批判した。

世論調査では、米国民の過半数が宴会場建設に反対しており、こうしたメッセージは共和党内にも浸透し始めているようだ。10億ドル規模の警備強化予算案は先に上院の歳出法案から削除され、少なくとも現時点ではトランプ氏にとって大きな打撃となっている。

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