Luiza Ilie Jekaterina Golubkova George Calin

[ガラツィ(ルーマニア) 29日 ロイター] - ルーマニア当局は29日、ロシアがウクライナに攻撃を行う中、南東部の都市ガラツィで10階建て集合住宅の屋根にドローン(無人機)が衝突、爆発と火災で2人が負傷したと発表した。北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)の双方に加盟するルーマニアは、ウクライナと650キロにわたり国境を接しており、人口密集地へのドローン飛来で負傷者が出たのは初めて。

ルーマニア国防省は声明で、「初期情報ではロシアのドローン、ゲラン2が衝突で爆発した」と説明。ロシアがドナウ川対岸のウクライナの港湾施設への攻撃を開始して以降、ロシアのドローンがルーマニア領空を侵犯した事例は28回、ルーマニア国内に落下したドローンの破片を回収したのは47回に及ぶという。

NATOのルッテ事務総長は、ルーマニアのダン大統領との電話会談後、「ロシアの無謀な行為はわれわれ全てにとっての脅威」と投稿。「NATOは同盟国の領土を1インチたりとも守る用意があることを確認した。ドローンを含むあらゆる脅威を抑止し、防衛する態勢を引き続き強化していく」とXに投稿した。NATO集団防衛条項の発動には言及しなかった。

ダン大統領はXで、ロシアの行為は「国際法とNATO加盟国の市民の安全を完全に無視するものだ」と非難した。

欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、ロシアが「また一線を越えた」と述べた。

ロシアのタス通信は、ペスコフ大統領府報道官の話として、プーチン大統領が今回の事態について報告を受けたと伝えた。

当局によると、衝突で最上階で火災が発生。ドローンに搭載されていた爆発物が爆発し、約70人が避難した。火災は最終的に消し止められた。国防省は、ドローンが非常に低い高度で飛行していたため、ガラツィに進入した際にレーダーが機体を見失ったと説明した。

国営通信社アジェルプレスは、ガラツィの緊急対応機関の話として、女性とその子どもが軽傷で病院に搬送され、ほかに2人がパニック発作のため現場で手当てを受けたと伝えた。

トイウ外相は「国際法の重大な違反」と非難、「必要な外交的措置を講じる」と述べた。「ルーマニアは同盟国とNATO事務総長に状況を報告し、対ドローン能力のルーマニアへの移転を加速するための措置を要請した」と語った。またロシア大使を外務省に呼び出したという。ルーマニア最高国防会議は会合を開いた。

ルーマニア国防省によると、F16戦闘機2機と軍用ヘリコプター1機が緊急発進。パイロットにはドローン撃墜の権限が与えられていたという。国境地帯の住民には避難が警告された。

ルーマニア軍は会見で、ドローンはルーマニア領空を4分間にわたり飛行、低空だっためレーダーが捕捉しにくかったと説明。また米国製のドローン迎撃システム「メロプス」は運用可能だったが、市街地での使用にはリスクが高すぎたと述べた。

これとは別に、ルーマニア北西部のマラムレシュ県バセシュティ周辺で爆発物を搭載していないドローンが発見され、現場は封鎖された。国営テレビTVRが28日遅くに報じた。TVRによれば、ドローンは翼幅が約3メートルあり、当局が出所や同地域に飛来した経緯を調べている。

一方、ウクライナ南部の当局は、国境を挟みガラツィと反対側にあたるオデーサ州のイズマイル港が29日未明、複数のドローンによる攻撃を受けたと発表した。国境に近いイズマイルはドナウ川沿岸のウクライナの港として最大規模で、戦略的要衝として頻繁に標的となっている。

ルーマニア国防省は29日、攻撃を監視するためF16戦闘機2機と軍用ヘリコプター1機を緊急発進させたと明らかにした。パイロットにはドローン撃墜の権限が与えられていたという。

ウクライナのドローンもここ数週間にバルト諸国の領空に迷い込み、混乱を招くとともにロシアとの緊張を高めている。

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