Raphael Satter AJ Vicens
[26日 ロイター] - 今年3月にロサンゼルスの公共交通機関に混乱を引き起こし、ネットワークの一部停止を余儀なくさせたサイバー攻撃について、イランのハッカーが関与していたとイスラエルの研究者らが明らかにした。
テルアビブに拠点を置くサイバーセキュリティー企業ギャンビット・セキュリティーによると、ハッカーはロサンゼルス郡都市交通局(LACMTA)から少なくとも700ギガバイトの電子メールやバックアップなどのファイルを盗んだ。同社はこれらの不正入手されたデータが誤ってインターネット上で公開されていたのを発見したという。
同社は26日に公表した報告書で、データが発見されたサーバーと、イスラエルの当局や研究者がイランによるものと特定した既知のハッキング活動を結びつける電子的な証拠の痕跡があると指摘した。
LACMTAに対する攻撃を巡り専門家らは、無名の親イラン組織「アバビル・オブ・ミナブ」を名乗るグループが犯行声明を出して以降、イランの関与を疑ってきた。グループの名称はイラン南部ミナブにある女子校への爆撃にちなんでおり、イラン当局はこの爆撃で175人を超える児童と教員が死亡したとしている。また、グループの言動や手口は、米国やイスラエルの研究者がイランのスパイの隠れみのと指摘する自称自警ハッカー集団に特徴的なものだ。
ギャンビットの脅威情報担当ディレクター、エヤル・セラ氏は、アバビルとイラン政府の関係はこれまで「作業仮説」だったとした上で、「われわれの調査はそれを裏付ける科学的証拠を提示するものだ」と述べた。
ギャンビットは調査結果について関係当局に通知したという。同社は米国家安全保障局(NSA)に相当するイスラエルの8200部隊の元隊員らが共同設立した。
LACMTAによると、サイバー攻撃は3月16日ごろに検知された。その約2週間後、アバビルがネット上に出現し、破壊的なサイバー攻撃で大量のデータを消去したと主張、交通機関のネットワーク内を荒らし回る様子だとする動画を公開した。
LACMTAは電車やバスの運行に支障はなかったとしているが、地元メディアによると、少なくとも一部の到着案内表示板が使用不能になり、利用者が交通カードにチャージできなくなったという。
アバビルはまた、南フロリダの通勤鉄道システム「トライレール」や車両追跡会社Vyncs、サウジアラビアのインフラ企業ユニマックに影響を及ぼしたハッキングについても犯行声明を出している。