David Jeans

[ニューヨーク 26日 ロイター] - 米実業家イーロン・マスク氏率いる宇宙企業スペースXが運営する衛星通信「スターリンク」を利用した米軍の自爆型ドローン(無人機)がイランとの戦争で目に見える成果を上げ始めると、同社の幹部はある結論に達した。国防総省は衛星Wi-Fiネットワークの利用料をもっと支払うべきだ──というものだ。

事情に詳しい複数の関係者およびロイターが確認した国防総省の文書によると、米国がイランへの攻撃を開始してから数週間以内に、スペースXの幹部は国防総省当局者と会談し、米軍は端末1台当たりの接続料として約5000ドルを支払っているが、実際には約2万5000ドル相当の上位サービスを利用していると主張した。

また、国防総省は、イラン政府による通信遮断を同国の国民が回避できるよう支援を模索する中、スターリンクを通じて第5世代(5G)移動通信システムに類似した端末不要の「ダイレクト・トゥ・セル」接続を提供する計画の価格設定を巡ってもスペースXと対立しているという。

これまで報じられていなかったこうした対立は、国防総省のスペースXへの依存度の高まりにより、米国の安全保障の重要な基盤に対するマスク氏の影響力が拡大していることを浮き彫りにしている。スペースXは史上最大規模となる可能性のある新規株式公開(IPO)を来月に控え、収益拡大を図っている最中だ。

関係者によると、スペースXは米軍のドローンが低価格の地上向けやモビリティーサービスではなく、航空機向けサブスクリプションにより近い条件で運用されていると主張した。一方、国防総省の当局者は、月額2万5000ドルの料金は航空機向けに設定されたものであり、スターリンク接続を数分から数時間しか使用しない自爆型ドローン向けではないと反論したという。

イランへの攻撃を強化していた国防総省は、最終的にスペースXが提示した値上げ案に応じ、ドローン1機当たりのコストはほぼ倍増した。当初、国防総省は1機当たり約3万ドルを支払っていた。

スペースXはコメント要請に応じなかった。国防総省はコメントを控えた。

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