Xinghui Kok Greg Torode
[シンガポール/香港 25日 ロイター] - イランでの戦争、アジアにおける米国の関与への負担、そして台湾を巡る緊張の高まり――。シンガポールで29-31日に開催するアジア安全保障会議(シャングリラ会合)では、これらが主要な議題となる見通しだ。
29日夜の基調講演はベトナムのトー・ラム国家主席が行うが、イランでの戦争終結に向けた取り組みが停滞する中で注目を集める出席者はヘグセス米国防長官になるだろう。
アジアの同盟諸国は、トランプ政権が中東の紛争に引きずり込まれ、ドイツからの軍撤退を含む欧州との対立にも直面していることで余力がなくなり、結果としてアジア地域から米国の関心が逸れていないか、ヘグセス氏の発言を注視すると予想される。
シンガポール国立大学の政治学者、チョン・ジャ・イアン氏は「米国の政策の予測不可能性とボラティリティー、そしてそれが安定に及ぼす影響を巡る懸念が続くだろう。アジアにとって最も差し迫った問題は、米国・イスラエルとイランの戦争と、それがエネルギー供給に与える影響だ」と指摘した。
イランでの戦争は、原油急騰によるインフレの加速や、肥料から食料に至るサプライチェーンの逼迫を招き、世界経済を混乱に陥れている。その圧力をとりわけ深刻に感じているのが、輸入依存度が高いアジア諸国の経済だ。
今回中国が董軍国防相を会議に派遣するかどうかは、まだ分かっていない。昨年は董軍氏が会議を欠席して米国に舞台を譲ることになった中国は、その後ヘグセス氏が中国を「中傷している」と非難した。
中国国防省は、董軍氏が出席するかどうか、また他にどの高官を派遣するかについて確認しておらず、同省はロイターのコメント要請にも応じなかった。
ヘグセス氏の台湾問題を巡る対応については、シンクタンク「ジャーマン・マーシャル・ファンド」のインド太平洋プログラム責任者を務めるボニー・グレイザー氏が「米中首脳会談の後ということもあり、ヘグセス氏は中国に対して慎重に振る舞うのではないか」と推測する一方、同盟国やパートナー国に対して防衛費の増額をさらに迫る可能性があるとの見方を示した。