Jan Strupczewski
[ニコシア 23日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は23日、ニコシアで開催された欧州連合(EU)の財務相非公式会議で示した報告書で、EU諸国が今後15年間で防衛、エネルギー、年金を巡る巨額の財政負担に直面するとし、対策の手段として構造改革、財政健全化、共同債の組み合わせを提案した。
IMFは報告書で「もしこのまま何も手を打たなければ、公的債務は持続不可能な道のりをたどるだろう。現在の政策を変更しない場合、欧州の平均的な国の債務は2040年までに国内総生産(GDP)比130%に達し、現在の水準からほぼ倍増するだろう」と述べた。
報告書はそのような最悪の事態を防ぐため、EU諸国が27カ国の加盟国内で市民が仕事を探して移動しやすくし、企業が市民を雇用しやすくなるようなインセンティブを改善しなければならないとした。
また、EUはエネルギー市場を統合し、市民の貯蓄が域内全域で収益性の高い投資に流れるのを容易にし、現在はしばしば国ごとに異なっている法律を統一するべきだとした。
年金制度の改革や退職年齢の引き上げもまた効果的であり、低炭素や気候変動に強い事業を巡るリスクの高い投資に対して政府が保証を与え民間資本を呼び込むことも有益だとした。
各国政府は最終的に技術革新、エネルギー、防衛が欧州全体の共通の利益だと認め、共同債を発行して費用を支払うべきだとした。
共同債の創設はEU内で極めて激しい論争の的となっている。スペイン、イタリア、フランスのような国々が賛成している一方で、ドイツやいくつかの北欧諸国がこの計画案に猛烈に反対している。
IMFはほとんどのEU諸国がたとえ構造改革を実施しても債務削減の道に向かわせるために財政健全化が必要になるが、構造改革が野心的になればなるほど必要な財政健全化の規模が小さくなるとした。各国政府が今すぐに行動を起こさなければ、問題は悪化する一方であると警告した。
IMFは「多くの国がこれまで採用してきた『その場しのぎ』の対応は限界に達しており、より戦略的な対応は増大する支出圧力に対処する上で欠かせない」と述べた。