(2)土壇場で合意

複数のEU外交筋は、ブレグジットに関してはほぼ合意ができていると話す。ただし英国とアイルランドの国境問題対応計画についての細かい部分ではなお議論が続いている。

あるEU外交筋は「技術的な部分では、離脱協定文書は整っている。しかし英国側の政治的合意がない」と語った。

今月中にEU首脳会議を開いてブレグジットの合意を承認するとすれば、英政府が遅くとも14日中に態度をはっきりさせなければならない、と複数のEU関係者は指摘した。

EUは月内の首脳会議が無理なら、12月13─14日の開催を予定している。英議会は12月20日から休会する。

ゴールドマン・サックスは9日の顧客向けノートに「われわれの基本シナリオでは合意されるのは確実だ。EUと英国が合意に達して移行期間が設定される確率は最低でも70%とみている」と記した。

(3)ブレグジット撤回

英国が混乱に陥れば、もう一度国民投票を実施してブレグジットをやめる可能性が浮上してくる。メイ氏は繰り返し、再投票はないと断言しているのだが。

ジョン・メージャー氏、トニー・ブレア氏、ゴードン・ブラウン氏という元首相3人も、危機打開の道は再投票だと発言している。

世論調査を見ると、英国民の意見はなお割れているものの、サーベイションが実施した最新調査では、より多くの若者などがブレグジット反対に回ると予想され、EU残留派が多数となりそうだ。

再投票を推進する人々の一番の期待は、メイ氏の離脱合意が否決されるとしても、労働党が望む総選挙を防ぐこともできるという点にある。このシナリオに基づけば、議会が2回目の国民投票実施と、投票が可能となるようにリスボン条約第50条の発動を延期することを可決する形になる。

一方ブレグジット推進派は、再投票は憲法運用上の大きな危機を引き起こし、国民の間に混乱を招く恐れがあると主張している。

[ロンドン 12日 ロイター]
トムソンロイター・ジャパン
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