Amanda Stephenson

[カルガリー 21日 ロイター] - 石油資源が豊富なカナダ・アルバータ州のダニエル・スミス州首相は21日、カナダからの分離独立問題に関する法的拘束力のない住民投票を10月に実施すると発表した。これは象徴的な動きだが、カーニー首相にとっては大きな政治的試練となる可能性がある。

スミス氏の話では、住民投票が直ちに分離独立を引き起こすわけではない。ただ将来的に独立に関する法的拘束力のある住民投票を実施するために憲法上必要とされる法的手続きを、州政府が開始すべきかどうかを住民に問うものになるという。

テレビ放送された演説でスミス氏は「今こそ投票を行い、この問題に関するアルバータ州民の意思を理解し、前へ進む時だ」と語り、この「感情的かつ重要な」議論をこれ以上長引かせることはもはや有益ではないと訴えた。

連邦政府はどのように対応するかを明らかにしていない。10月に投票が行われれば、カナダの歴史においてケベック州以外の州が分離独立の是非を公に問う初めてのケースとなる。

カーニー氏が今後数カ月で米国の関税問題や米国・メキシコ・カナダ貿易協定(USMCA)の再交渉に取り組み、カナダ国内の結束を導こうとしている中で、今回の発表はアルバータ州内だけでなくカナダ全土に分断をもたらす恐れもある。

世論調査ではアルバータ州分離独立への支持が一貫して州の有権者の約3分の1にとどまっている。それでも数カ月にわたって住民投票の実施を求める運動を展開してきた分離独立派の声を受けて、こうした発表が行われた。

国家の統一という問題は、1995年にケベック州で独立が僅差で否決された住民投票以来、カナダにおいて極めてデリケートな問題となっている。

その投票後に連邦政府は、いかなる州が提案する住民投票の文言についても連邦議会が最終的な決定権を持ち、連邦政府が独立交渉を開始する前に満たされるべき条件を定める法律を可決した。

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