Tamiyuki Kihara

[東京 21日 ロイター] - 米国のジョージ・グラス駐日大使は21日、自民党の党内会合で講演し、防衛力強化に向けた日本の取り組みを支持した。トランプ米大統領と高市早苗首相の強固な関係をアピールした上で、日本が実効支配し、中国が釣魚島と呼んで領有権を主張する尖閣諸島を含む「日本の領土的一体性を守る」と述べた。一方、「日本が再軍備化していると主張する者」がいるとして、「言いがかりだ」と強い口調で一蹴する場面もあった。

グラス氏は自民の国会議員ら約200人を前に、「トランプ大統領・高市首相による日米黄金時代のビジョン」と題して約20分間講演した。その中で日本の防衛力強化に触れ、「ますます複雑化する安全保障環境において、侵略を抑止するには適応力と相互補完的かつ最先端のシステムが必要だ」とし、「時間はない。抑止力への投資を継続しなければならず、これは一度限りの取り組みではない」と述べた。

新たなレベルのコミットメントとスピード感が求められているとした上で、基地を守るためのミサイル、防空システムや、効果的な指揮統制・兵站システムを例に挙げ、「準備と即応性に代わるものはない。十分な訓練を受け、緊密に連携した同盟は、敵対勢力に対して強力な力を発揮する」と強調した。

尖閣諸島についても言及し、「インド太平洋が引き続き繁栄するためには安定が不可欠だ。だからこそ米国はこの地域に不和をもたらそうとするいかなる試みにも反対し、日本と確固として共に立っている」と強調。「台湾海峡の現状維持を支持し、朝鮮半島の非核化を推進し、尖閣諸島を含む日本の領土的一体性を守るという約束を、我々は完全に守り続ける」と語った。

一方、「(高市)首相が日本の強化に取り組んでいることを批判し、日本が再軍備化していると主張する者がいる」と発言。「それは事実とはまったくかけ離れている。根拠のない言いがかりだ」と語気を強めた。

名指しは避けたが、前日の20日には、中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領が北京で会談。「日本による『再軍事化』の加速が地域の平和と安定を大きく脅かし、国際社会と地域諸国の強い警戒を呼んでいる」などとする共同声明を発表している。

グラス氏は「70年以上にわたり、日本は国際舞台において尊敬される責任ある指導者であり続けてきた」とし、「敵対勢力からのプロパガンダの喧噪は、我々の岩盤のような同盟を弱体化させようとする見え透いた策略に過ぎない。それは必ず失敗する」と続けた。「敵対勢力」が最も恐れているのは日米の結束だとも述べた。

自民の「国力研究会(ジャパン・イズ・バック)」はこの日が初会合。高市政権を支え、2月の衆院選で急増した議員らを含めて党内の一致結束を図るのが主な目的とされる。党副総裁の麻生太郎元首相らが中心となって立ち上げた。会員となった議員は347人に上り、この日は麻生氏のほか、加藤勝信・前財務相、小泉進次郎・防衛相、萩生田光一・党幹事長代行ら約200人の衆参両院議員が出席した。一方、趣旨に賛同しない一部の議員らは参加を見送っている。

(鬼原民幸 編集:橋本浩)

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