Phuong Nguyen Francesco Guarascio David Dolan
[ハノイ 21日 ロイター] - ベトナムの電気自動車(EV)メーカーであるビンファスト・オートは現在、主要2工場を売却し、70億ドル相当の債務をバランスシートから切り離す計画を進めているものの、親会社である複合企業ビングループのガバナンスに対する懸念を招いている。
先週発表された取引に基づき、ビンファストは国内の製造事業を13兆3000億ドン(5億0600万ドル)で投資家グループに売却する。同グループは約69億ドルの債務も引き受けることになる。これにより、製造ではなく、研究・製品開発に重点を置いた「アセットライト」モデルを採用できるようになるとしているビンファストは2017年の設立以来、まだ黒字化に至っていない。
しかし、この取引はその複雑さと、ビングループと関係のある投資家が関与していることから、一部のアナリストや個人投資家の間で疑問の声が上がっている。
シンガポールを拠点とするコンサルティング会社YCPのアナリストは「戦略的および財務的な観点からは、この動きは理にかなっており、ビンファストの成長に向けた強固な基盤を提供するものだ」と指摘。「しかし、ガバナンスの観点からは、この戦略的決定にはいくつかの懸念材料があり、疑問符が付く部分もある」と述べた。
問題の一つは、不動産実業家のグエン・ホアイ・ナム氏の関与だ。同氏は今月、製造事業の95%以上を取得する企業の支配権を掌握したばかり。ナム氏はビングループのショッピングモール部門だったビンコム・リテールの取締役を務めている。
ロイターはナム氏のコメントを得られなかった。
ビンファストは声明で「当社は(ナム氏を巡る)取引の当事者ではないため、コメントする根拠も権限もない」と述べた。