William Schomberg
[ロンドン 21日 ロイター] - S&Pグローバルがまとめた5月の英国の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は48.5と、4月の52.6から急激に下落した。景気拡大・縮小の節目となる50を下回るのは2025年4月以来となる。中東紛争の経済的影響や国内政治の先行き不透明感が背景にある。
ロイター調査では51.6と、より小幅な下落が予想されていた。
5月は特にサービス業のPMIが大きく下落し、新型コロナ流行下の21年1月以来の低水準となった。
製造業からは受注が殺到したと報告があったが、それは主に中東紛争に伴うさらなる価格上昇やサプライチェーン問題に先手を打とうとする動きによるものだった。
企業側は、中東紛争によるエネルギー価格高騰や輸送遅延による打撃に加え、スターマー首相の去就や後任を巡る政治の不透明感が景況感を悪化させていると指摘した。
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「政治的な不確実性の高まりが中東紛争による影響の拡大に拍車をかけており、英国経済は『パーフェクト・ストーム』に直面している」と指摘した。
同氏は5月PMIについて、年初の予想外の好調ぶりとは対照的に、英国経済が四半期ベースで0.2%縮小する見込みであることを示唆していると述べた。
企業は5月も大幅なコスト増に直面した。企業の販売価格の総合指標は4月をやや下回る上昇にとどまったものの、製造業者の価格引き上げ幅は22年7月以来最大となった。
企業の採用計画は20カ月連続で縮小し、今後の事業見通しは25年4月以来の低水準となった。
ウィリアムソン氏は、景気減速と依然強いインフレ圧力が重なり、イングランド銀行(中央銀行)を板挟みの状況に追い込んでいると述べた。
金融市場は、英中銀が年内にあと2回利上げを行うと予想しているが、今月初めのロイター調査ではエコノミストの大半が利上げは見送られるとの見方を示していた。