イラン攻撃はまだ出口が見えないが(テヘランへ向かうイスラエル空軍機、今年3月)
イラン攻撃はまだ出口が見えないが(テヘランへ向かうイスラエル空軍機、今年3月) IDF-COVER IMAGES-REUTERS

アメリカではディールを求める圧力が高まる

「それが、彼を執拗に批判してきた人々をいら立たせる」と、モアは言う。「アラファトについても(トルコ大統領のレジェップ・タイップ・)エルドアンについても、アラブの春についても、彼は批判者たちより深く理解していた。ネタニヤフの政治的成功は彼らの失敗なのだ」

もっとも、ネタニヤフの尽力で、より有利な安全保障秩序の土台は既に整っている。「現在われわれが対峙しているのは、ガザの半分に残るハマスだ。彼らは武装解除案を拒否するだろうが、イスラエルは決定的な攻勢に出る態勢を整えている」と、モアは言う。

「しかも23年、24年、25年と違い、ガザの地下トンネルに人質はいない。北部から奇襲攻撃を仕掛けてイスラエル軍を足止めするヒズボラもいない。レバノンとイランの橋渡しをしていたシリアのアサド政権も、それを支えるロシアの後ろ盾も、イランの差し迫った脅威も存在しない」

一方、ワシントンではディールを求める圧力が高まっている。イランが「体制崩壊間近」の予測に反して持ちこたえるなか、アメリカとイスラエルによる対イラン共同戦争は出口が見えないまま続いている。

「確かに両軍の戦果は印象的で、イランの軍事力は大幅にそがれている。だが多くの前提が誤っていた」と、かつてシモン・ペレス首相の上級顧問を務め、現在はイスラエル政策フォーラムの上級フェローであるニムロッド・ノビクは言う。「イランの現体制は崩壊していない。核開発の野望が永遠に絶たれたわけではなく、弾道ミサイルの脅威も続いている。また、イランがホルムズ海峡のカードを切り、湾岸諸国を攻撃する可能性を軽視していた点も誤りだった」

イラン戦争は政権の存亡をかけた戦い
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