高齢者を「老害」と揶揄したがる風潮
ただし、この段階では車を運転することも含め、日常的にやってきたことを行ううえでは特に支障はない。
「認知症の症状が出始めた」からといって、アクセルとブレーキの操作の仕方が急にわからなくなるとか、アクセルを踏むべきか、ブレーキを踏むべきかの判断がつかなくなる、といったことにはならないのです。(24ページより)
もちろん、認知症とは関係なく事故を起こしてしまう高齢者もいることだろう。しかし、専門医がこうした見解を示している以上、私たちも偏った情報だけに左右されるべきではない。
話は飛ぶが、同じことは高齢者を「老害」と揶揄したがる風潮にも言えるかもしれない。
実際のところ「キレやすい老人」も存在するだろうし、私自身も買い物をしているとき、老人が若い店員に対して大声で罵声を浴びせている場面に遭遇したことが何度かある。
だが、それは事実であったとしても「すべて」ではないのだ。まじめで誠実な若者と、人の迷惑を顧みない若者が共存しているのと同じ構造だ。
高齢者は、なにかと誤解されやすい存在であるかもしれない。しかし、だからこそ私たちも積極的に正しい知識を身につけるべきではないだろうか。
[筆者]
印南敦史
1962年生まれ。東京都出身。作家、書評家。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。他に、ライフハッカー[日本版]、東洋経済オンライン、サライ.jpなどで連載を持つほか、「ダ・ヴィンチ」などにも寄稿。『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)、『この世界の中心は、中央線なのかもしれない。』( 辰巳出版)など著作多数。2020年6月、日本一ネットにより「書評執筆本数日本一」に認定された。
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