ソウル市中区新堂洞に位置する私立学校・奨忠(チャンチュン)初等学校(撮影=筆者)

7%の学校が体験学習をまったく実施せず

校外活動の縮小はソウルにとどまらない。全国教職員労働組合が行った調査で、直近1年間に宿泊体験学習を行った学校は半数の53.4%にとどまっており、日帰り体験学習のみ実施したという回答は25.9%、校内体験活動のみ実施した学校は10.8%、7.2%は体験学習そのものを実施していなかった。

実施しない理由として89.6%が「事故発生時に教師が刑事責任を負う可能性への不安」を挙げ、「準備過程の事務負担をストレスに感じる」という教員も84.0%に上っている。改善策を問う質問には80.9%が「教師の刑事責任免除の強化」と回答、「宿泊型体験学習の制限または中止」も30.8%を占めていた。

事故が起こると引率教師が刑事被告人に?

行事離れが急増した背景に江原道で発生した児童の死亡事故がある。2022年11月11日、江原道春川市の小学校6年生3クラスが同道束草市のテーマパークを訪れた際、1人の児童が貸切バスにはねられて死亡した。1審でバス運転手に禁錮2年、担任教師に禁錮6カ月執行猶予2年が言い渡された。

控訴審で運転手は禁錮2年執行猶予3年、担任は禁錮6カ月宣告猶予に減刑されたが、これを契機として教員の間に学校行事で事故が起こると刑事被告人になるという認識が広がった。

部活を禁止する学校も──釜山は3割強に

リスク回避は校外活動にとどまらない。全国の小学校6189校のうち312校(5%)が授業時間外のサッカーや野球などスポーツ活動を禁止しており、釜山では実に3分の1超にあたる34.7%の学校が禁止している。

さらに運動会を中止する学校も増えている。万一、事故が起きると刑事罰に問われかねないリスクに加え、チームの得点を調整して引き分けで終えるといった配慮が求められる時代である。また騒音苦情も増えている。2018年にソウルで受理された運動会の騒音苦情は77件だったが、2024年には214件に増えるなど、全国の受理数は350件に上っている。

参加費の高騰も原因に
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