Ritsuko Shimizu
[東京 14日 ロイター] - TDKの斎藤昇社長は、ロイターとのインタビューで、メモリー不足・価格高騰により足元でスマートフォン(スマホ)市場は減速しているものの、上位機種などハイエンドに用いられる高付加価値の電池関連の開発や投資は緩めないとの方針を示した。第4世代となる次世代シリコン負極電池も、計画通り9月にかけて市場に投入していく。
同社は2027年3月期決算予測の前提として、スマホの生産台数は10%減と想定。特に、新興国市場向けの低価格端末などローエンドの領域が減少すると見込んでいる。
斎藤氏は「メモリーの問題はずっと続くわけではない、一時的なもの。急に生産能力が増えるわけではないが、来期、再来期には段々と増加していく」との見通しを示し、「ICT(情報通信技術)の調整によって、TDKの開発投資や設備投資を緩めることはない」と述べた。
スマホへのAI(人工知能)搭載などで高付加価値な電池の需要が増加していることに対応した第4世代となる次世代シリコン負極電池についても「今上期末にかけて出していく。高付加価値の電池はハイエンドに用いられるため、この開発投資と量産にもっていくための設備投資は緩めることはない」とし、スケジュールに変更はないと強調した。
メモリー価格の上昇により顧客のコストマネジメントが強まり、シリコン負極電池の普及カーブが一時的に調整局面入りすることも想定されるとしながらも「消費電力が上がる中で、一時的な要因でエネルギー密度の高い電池の需要がなくなるとは考えておらず、そこへの投資は継続していく」と述べ、シリコン負極電池のさらなる進化についても「これで終わりではない」とした。
中東情勢緊迫化の影響については「直接のビジネスはない」とした上で、溶剤のようなナフサ由来の材料について「価格を含めてしっかり注視している状況」と述べた。現状、調達難で生産に影響が出るようなことはないという。また、コストが上がった部分については「コストダウンで吸収していく。(現状では)中東問題を直接的な要因としての値上げはしていない」と述べた。
*インタビューは13日に実施しました。