<為替> 予想を上回る米インフレ指標を受けてドルが上昇し、一時、2週間ぶりの高値を付けた。市場は、中国・北京でのトランプ米大統領と習近平国家主席の首脳会談のほか、連邦準備理事会(FRB)新議長の就任承認にも注目している。この日発表された4月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は、前年比6.0%上昇、3月の4.3%から加速し、2022年12月以来の大幅な伸びとなった。イランとの戦闘を受け、米国のインフレが加速している兆候が改めて確認された。 アネックス・ウェルス・マネジメントのチーフエコノミスト、ブライアン・ヤコブセン氏は、「インフレが一気に加速した」と指摘。「ガソリン価格が15.6%上昇したことを踏まえると、輸送・流通コストが急騰したのも驚きではない。現時点で、エネルギー価格の急騰は消費者物価よりも企業の利益率への脅威となっており、高止まりが長引けば、その影響は消費者にも波及するだろう」と述べた。こうした中、トランプ大統領は中国訪問に先立ち、習主席とイラン紛争を巡り長時間協議する予定だとしつつも、習氏の助けは必要ないと考えていると述べた。また市場は、米上院がトランプ大統領が指名したケビン・ウォーシュ氏のFRB議長就任を承認したことにも注目。ウォーシュ氏は、トランプ氏が強く望む利下げと、その障壁となる可能性があるインフレ高進との間で困難なかじ取りを迫られるとみられる。 主要通貨に対するドル指数は0.21%高の98.53。一時98.601と、4月30日以来の高値を付けた。 CMEのフェドウォッチによると、市場は連邦準備理事会(FRB)による年内利下げの可能性をほぼ織り込んでいない。12月会合で少なくとも25ベーシスポイント(bp)の利上げが実施される確率は35%と、1週間前の16.3%から大きく上昇した。円は対ドルで0.18%安の157.88円。黒田東彦前日銀総裁は13日、都内のイベントで、日本経済の実力からすればドル/円は120―130円程度が「均衡レート」だと述べた。その上で、160円に乗せようとすると「政府が介入する傾向がある」ため、「なかなか160円を突破するような円安になるとは思わない」と指摘した。 中国人民元は対ドルで0.04%安の6.787元。一時6.7852元と、2023年2月以来の元高水準を付けた。 ユーロは0.26%安の1ドル=1.1706ドルとなった。英ポンドは0.17%安の1ドル=1.3513ドル。地方選挙惨敗を受けて労働党内でスターマー英首相退陣を求める声が広がる中、司法省のアレックス・デービスジョーンズ政務官と保健省のズビル・アーメド政務官は12日、同首相の指導力に抗議して辞任した。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 10年債利回りが一時、昨年6月以来の高水準となる4.50%に上昇した。米国の4月の卸売物価指数が予想を上回って上昇し、一部の米連邦準備理事会(FRB)当局者が物価圧力が一段と強まればFRBは利上げに転じる可能性があると示唆したことを受け、国債利回りが全般的に上昇した。 労働省発表の4月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前年比6.0%上昇。2022年12月以来の高伸びとなり、イランとの戦闘を受け物価上昇が加速している兆候が改めて確認された。前日発表の4月の消費者物価指数(CPI)は前年比3.8%上昇と、伸びは23年5月以来の大きさだった。 市場では、中東のエネルギー供給の混乱の長期化によるインフレ高進リスクが注目されている。ただ、BCAリサーチの米国債券戦略責任者ライアン・スウィフト氏は、これまでに発表された米経済指標に基づき、FRBが政策スタンスを利上げ方向に転換させる可能性は低いと予想。CPIとPPIはエネルギー価格の上昇の「直接的な影響」を受けたものの、企業コストが消費者価格に転嫁され、コアインフレとして現れる「間接的な波及」はまだ確認されていないと述べた。 ただ、他の経済指標では影響が広範に顕在化するのは時間の問題だということが示唆されていると指摘。「FRBにとって決定的な引き金となるのは、二次的な波及効果だ」とし、「賃金上昇率の加速やインフレ期待の上昇が見られれば、確実に利上げが必要になる」と語った。この日は、 ボストン地区連銀のコリンズ総裁が、インフレ圧力が収まらなければFRBは利上げを行う必要があるとの見解を表明。ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は米国の労働市場は年初と比べやや改善したとの認識を示したものの、物価情勢については、イランとの戦闘によりすでに高水準にあったインフレがさらに悪化していると述べた。米上院はこの日、次期FRB議長に指名されているケビン・ウォーシュ氏のFRB議長就任を承認。市場関係者は、最近のインフレ率上昇を受け、ウォーシュ氏が従来ほどハト派的でない姿勢を示すか注目している。BCAリサーチのスウィフト氏は、利下げの主張を経済的に裏付けるのは極めて難しいため、ウォーシュ氏が近い将来に利下げを主張し始めるとは考えにくいとしている。終盤の取引で10年債利回りは0.2ベーシスポイント(bp)上昇の4.473%。一時4.50%と、昨年6月11日以来の高水準を付けた。 2年債利回り1.1bp低下の3.985%。一時4.017%と、3月27日以来の水準に上昇した。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> S&P総合500種とナスダック総合指数が上昇して取引を終えた。人工知能(AI)関連のハイテク株が相場を押し上げ、予想を上回るインフレ統計により米連邦準備理事会(FRB)が当面、引き締め的な金融政策を維持するとの観測を相殺した。S&P500とナスダックは序盤の下げから反転し、終値で過去最高値を更新した。前日に下落していた半導体株指数も反発した。 AI関連の大型ハイテク株「マグニフィセント・セブン」のうち6銘柄が買われ、1.4─3.9%上昇した。 カーソン・グループのチーフマーケットストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「インフレ統計が引き続き高止まりする中でも、テクノロジー株は底堅さを維持している。前日に軟調だった半導体株は今日、力強く反発した」と述べた。米労働省が13日発表した4月の卸売物価指数(PPI)は前月比1.4%上昇と、4年ぶりの高い伸びとなった。上昇の主因はホルムズ海峡封鎖に伴う原油供給の混乱だが、原油高が他の経済分野にも波及し始め、インフレが広範化している兆候を示した。nL6N41Q156ボストン地区連銀のコリンズ総裁は13日、インフレ圧力が収まらなければ、FRBは利上げを行う必要があるとの見方を示した。nL6N41Q1E8トランプ大統領は、エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)や実業家イーロン・マスク氏を含む一行を伴い、中国・北京に到着した。習近平国家主席との2日間の首脳会談に臨む。議題には、習氏に米企業への中国「開放」を促すことや、不安定な貿易休戦の維持が含まれる。トランプ氏はまた、イラン戦争とそれに伴うエネルギー価格高騰で打撃を受けた支持率の押し上げも狙う。nL6N41Q13Z エヌビディアとテスラの株価はそれぞれ2.3%、2.7%上昇した。 S&P500の主要11セクターでは、通信サービスと情報技術の上昇率が目立った一方、公益事業が最も大きく下落した。 フォード・モーターは13.2%急伸し、1日の上昇率としては6年ぶりの大きさとなった。同社のエネルギー事業や中国の電気自動車(EV)電池大手、寧徳時代新能源科技(CATL)との提携について、モルガン・スタンレーが競争上の優位性を指摘し、「過小評価」されているとの見方を示したことが材料視された。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> インフレ懸念から利下げ観測が後退し、続落した。中心限月の清算値(終値に相当)は前日比0.4%高の1オンス=4706.70ドル。
米国の4月の卸売物価指数(生産者物価指数)は市場予想を上回る伸びとなり、2022年初め以来の大幅な上昇を記録。イランとの戦闘を背景にインフレが加速していることが改めて示された。Zaner Metalsのバイスプレジデント、ピーター・グラント氏は「インフレの根強さから、より高い金利がより長く続くとの観測が強まり、ここ2日間の金相場を圧迫している」と指摘した。金はインフレヘッジとして見なされる一方、金利上昇は利子を生まない金にとって重しとなる。
インドが金と銀の輸入関税を6%から15%に引き上げたことも需要面での懸念材料となっている。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 米国時間の原油先物は、投資家が米国の利上げの可能性を懸念し、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の首脳会談を見守る中、下落した。ただ、依然として1バレル=100ドルの水準は上回っている。清算値は、北海ブレント先物が2.14ドル(2%)安の1バレル=105.63ドル。米WTI先物は1.16ドル(1.14%)安の101.02ドルとなった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 157.85/157.
87
始値 157.81
高値 157.92
安値 157.75
ユーロ/ドル NY終値 1.1710/1.17
11
始値 1.1712
高値 1.1717
安値 1.1698
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 95*20.5 5.0337
0 %
前営業日終値 95*22.5 5.0290
0 %
10年債(指標銘柄) 17時05分 99*08.5 4.4669
0 %
前営業日終値 99*07.5 4.4710
0 %
5年債(指標銘柄) 17時05分 98*30.0 4.1136
0 %
前営業日終値 98*28.5 4.1240
0 %
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*18.3 3.9771
8 %
前営業日終値 99*17.2 3.9960
5 %
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 49693.20 -67.36 -0.14
前営業日終値 49760.56
ナスダック総合 26402.34 +314.14 +1.20
前営業日終値 26088.20
S&P総合500種 7444.25 +43.29 +0.58
前営業日終値 7400.96
COMEX金 6月限 4706.7 +20.0
前営業日終値 4686.7
COMEX銀 7月限 8936.8 +377.7
前営業日終値 8559.1
北海ブレント 7月限 105.63 ‐2.14
前営業日終値 107.77
米WTI先物 6月限 101.02 ‐1.16
前営業日終値 102.18
CRB商品指数 404.3872 ‐0.4612
前営業日終値 404.8484