専門家によると、かつてリスクが低いとみなされていた地域にまで感染が拡大した理由は複数ある。
最大の理由は蚊の個体数の増加にある。アメリカ動物病院協会によると、ヒトスジシマカのような種はここ数年の間に北部や西部へと分布域が拡大し、感染範囲が広がっている。
気候変動による気温や湿度の上昇、都市特有の気候環境などの影響で、蚊が生息できる期間は年間を通じて長くなり、感染シーズンも長期化した。
「蚊のシーズンは多くの人が考えるほど簡単には予測できない」とコールマンは言う。「暖かい季節の到来は例年より早いことも、遅いこともある。蚊は住宅や集合住宅、排水溝、緑地、住宅地などの小さな空間で生き続けることができる」
犬はかつてに比べると、引っ越しや休暇、州を越えた保護犬の譲渡などに伴って移動が増えた。フィラリア症に感染した犬が新しい地域に入ってくると、その地域の蚊が感染サイクルを継続させる可能性があるという。
リスクが増大しているにもかかわらず予防対策が徹底されていないため、依然として感染数は多い。ほとんどの症例は、薬が効かなかったためではなく、投与を怠ったり遅れたりしたことで起きるとコールマンは指摘する。
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