Marc Jones David Milliken

[ロンドン 7日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事は7日、原油価格の高騰と供給の滞りに対し企業や家計が反応するにつれ、ユーロ圏のインフレ率上昇リスクが高まっているとし、6月にも金利引き上げが実施される可能性が高いとの見方を示した。イラン戦争が欧州連合(EU)域内の消費者物価に及ぼす波及効果に対応するためとした。

シュナーベル氏は、ユーロ圏企業の間で需要低迷にもかかわらず価格引き上げを計画している企業の割合が増加していることや、家計のインフレ期待が高まっていることを指摘。「エネルギー価格ショックが拡大すれば、中期的な価格安定を脅かす二次的な影響のリスクを抑えるために、金融政策を引き締める必要が生じるだろう。このリスクはここ数週間で高まっている」と述べた。

シュナーベル氏はさらに踏み込んで、燃料価格の高騰は、2021年から22年にかけての前回のインフレ高騰時よりも速いペースで経済に影響を与える可能性があるとの認識を示した。「あの痛ましいインフレの記憶はまだ生々しい」からだという。

シュナーベル氏はまた、インフレ抑制のために各国政府や議員がそれぞれの役割を果たすよう訴え、公的債務を持続可能な水準に保ち、金融危機後に導入された健全性規制を維持するよう強く求めた。

株式市場の動向については、世界経済が直面するリスクとの間に乖離があるように見えると指摘し「市場はやや自己満足に陥っているのではないか、という疑問が生じるかもしれない」と警戒感を示した。その上で、市場はエネルギー供給網への打撃が急速に回復すると想定しているようだが、それはありそうもないとの見解を表明。人工知能(AI)による生産性向上についても非常に楽観的な期待を抱いていると指摘した。

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