Jennifer Rigby Olivia Le Poidevin

[ロンドン 5日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)は5日、ハンタウイルスの感染を確認または感染の疑いがある症例が7人発生したクルーズ船で、ヒトからヒトへの感染が起きた可能性があるとの見解を示した。その上で一般市民へのリスクは低いと改めて表明した。

これまでにオランダ人夫婦とドイツ人の計3人が死亡。英国籍の1人が船から搬送されて南アフリカで集中治療を受けている。さらに感染の疑いがある3人は船に滞在しており、うち1人は軽度の発熱がある。

WHOは、アルゼンチンで乗船したオランダ人夫婦について、船外、バードウオッチングなどの活動中に感染した可能性があるとし、ヒトからヒトへの感染は船内で起きたとみていると説明した。

クルーズ船「MVホンディウス」はアフリカ西岸沖の島国カボベルデ沖にとどまっている。 

WHOは、現在の優先事項は船に滞在している体調の悪い乗客2人をオランダに搬送し、その後クルーズ船をスペイン領カナリア諸島に向かわせることだと述べた。

スペイン保健省はクルーズ船の受け入れの可否を決定していないと発表。「カボベルデ通過中に船から収集した疫学データに応じて、最も適切な寄港地を判断する」としている。

<リスクは低いが感染は起こり得る>

ハンタウイルスは、齧歯(げっし)類の排せつ物や尿の粒子が空気中に飛散することで感染し、致死的な呼吸器疾患を引き起こすことがある。

WHOは、ヒトからヒトへの感染はまれで、より広い社会へのリスクは低いと改めて表明した。

WHOで感染症・パンデミック対策準備予防担当ディレクターを務めるマリア・ファンケルクホーフェ氏は、ジュネーブで開いた会見で、今回の感染を引き起こしたハンタウイルスは南米で広がる「アンデス株」の可能性があるとして検査を行っていると説明した。

アンデス株は、過去の一部アウトブレークで濃厚接触者間の限定的な感染拡大が観察されている。「夫婦や、同じ船室にいた人など、濃厚接触者の間で感染が起きている可能性があるとみている」と述べた。

クルーズ船にはすでに医療スタッフが乗船し、船内では消毒作業が行われている。WHOは、船内にネズミはいないとの報告を受けたとしている。

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