[バンコク 5日 ロイター] - タイ政府は5日、カンボジアとの海洋エネルギー資源の共同開発に向けた覚書「MOU44」を一方的に破棄した。

この覚書は、両国の領有権が重複する海域で石油・天然ガスを共同開発する枠組みの構築を提案するとともに、正式な境界画定に向けた交渉を並行して進める内容で2001年に締結された。ただ、締結後に複数回の協議が行われたものの、ほとんど進展がなかった。タイ国内の政情不安、両国間の断続的な対立、タイ国内のナショナリストからの強い反発などが障害となった。昨年も激しい武力衝突があり、米国の仲介などを経て今は停戦状態にある。

覚書の破棄はアヌティン首相の選挙公約だった。首相は記者団に「覚書破棄はカンボジアとの国境紛争とは関係なく、私の政策の一環だ。25年が経過したが、何の進展もなかった」と述べ、カンボジア側に決定を伝えると付け加えた。

カンボジアのプラク・ソコン外相は遺憾の意を示し、同国政府としては国連海洋法条約(UNCLOS)に定められた手続きに沿って境界問題を解決する以外に「選択肢はない」との考えを示した。

タイ政府報道官は5日、UNCLOSを参照しつつ、カンボジアと海洋境界画定について直接交渉を行う方針を示した。

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