Sabrina Valle David Shepardson Rajesh Kumar Singh Doyinsola Oladipo
[ワシントン 2日 ロイター] - 経営危機に陥っていた米格安航空会社(LCC)のスピリット航空が2日、事業を停止した。イラン紛争をきっかけとしたジェット燃料価格の高騰に起因した米航空業界初の経営破綻となり、トランプ政権には打撃だ。
トランプ大統領は側近や共和党議員の反対を押し切り、5億ドルの拠出策を打ち出していたが債権者の支持が得られなかった。トランプ氏は1日、スピリット航空と債権者に対し最終的な救済案を提示したと述べた。だが同日開かれた取締役会は再建策で合意に達することなく終了したとされる。
スピリット航空は2日、「秩序ある事業の縮小」を発表し全ての運航便をキャンセルした。「最近の原油価格の大幅な上昇やその他の事業への圧力が財務見通しに著しい影響を与えた」と説明した。
スピリット航空は、春の終わりか夏の初めまでに2度目の破産手続きから脱却することで銀行と合意していた。しかしイラン紛争をきっかけとしたジェット燃料価格の高騰で計画に狂いが生じた。再建計画ではジェット燃料価格を2026年が1ガロン=2.24ドル、27年は2.14ドルと想定していたが、実際は4月末までに4.51ドル前後に跳ね上がった。
Ciriumのデータによると、スピリット航空は5月1日から15日までに国内便4119便(座席数で80万9638席)を運航する予定だった。すでに米政府が、運航停止を想定した搭乗予定客の受け入れについて、他の航空会社を調整していた。
運航停止の発表を受け、米航空各社がスピリット航空の予約客向けの救済措置を打ち出した。フロンティア航空は、全路線を対象とした割引運賃や増便計画を発表。ジェットブルーは5月6日までの99ドル運賃、サウスウエスト航空も特別運賃を導入した。ユナイテッド航空は、価格の上限を設けた片道航空券を提供、アメリカン航空は特別運賃の設定とともに、主要路線で増便を検討している。