かかりつけ医は「専門の違う先生を2人以上」持つ
こうした、日々の体調の変化や違和感にすぐに対応するためにも、「かかりつけ医」を持つことも考えてみてほしいと思います。できれば、何かあったときにセカンドオピニオンを得られるように、「2人以上」持つことをおすすめします。
理由はこうです。
臨床医の先生は基本的に、その先生の専門の枠の中で答えを出します。
しかし、同じ症状を訴えても、先生が違えば先生の数だけ答えがあります。同じ症状を訴えてもまったく異なる病気の可能性を指摘されることもありますし、「耳鼻科に行きなさい」という先生もいれば、「内科に行きなさい」と言う先生もいます。
2人以上のかかりつけ医を持っておくのは、一発で正解を出してくれる優秀なお医者さんを見極めるためではありません。違った角度からの意見をもらうことによって病気を見逃さないようにするためなのです。
よって、かかりつけ医となる2人の先生方の専門領域は同じである必要はありません。
むしろ、違うほうが望ましいと言えます。たとえば、内科医と整形外科医でもいいですし、神経内科医と耳鼻科医でもよいです。内科系と外科系の先生が1人ずついるとベストです。外科系は耳鼻科や皮膚科でもOKです。
もう一つ大事なポイントがあります。それは、「歩いて行ける」場所にいる先生にすることです。具合が悪いときに遠くの病院まで行くことはできません。かかりつけ医はすぐに行けなければ意味がありませんから、近ければ近いほどよいと考えてください。
インターネットを積極的に活用することもおすすめします。厚生労働省は、2007年(平成19年)から、患者さんが医療機関を適切に選択できるよう、病院・診療所・薬局に医療機能の報告を義務づけた医療機能情報提供制度を開始しました。現在では全国統一の「医療情報ネット(ナビイ)」というサービスを提供しています。
近年は、大学病院や一般の病院・クリニックでも、病気やその治療法についての正確な情報をウェブサイトに掲載することが増えてきました。調べたい病気があったら、誰が更新・監修しているかわからない信頼性の低いサイトより、病院のサイトにある情報を参考にするようにしましょう。
そのほかにも、症状を入力するだけで、疑われる病名や専門医の紹介をしてくれるアプリやサイトもあります。ぜひ活用してみてください。
高木徹也(タカギテツヤ)
法医学者。1967年東京都生まれ。
杏林大学法医学教室准教授を経て、2016年4月から東北医科薬科大学の教授に就任。東京都監察医務院非常勤監察医、宮城県警察医会顧問などを兼任し、法医解剖施行数は6000件に迫る。『ガリレオ』『ヴォイス〜命なき者の声〜』『幸せな結婚』など、法医学・医療監修を手掛けたドラマや映画は多数。
著書に『なぜ人は砂漠で溺死するのか?』(メディアファクトリー)『こんなことで、死にたくなかった 法医学者だけが知っている高齢者の「意外な死因」』(三笠書房)などがある。
