──ドラマの舞台となったロンドンも、ある意味、登場人物のようだった。

007映画の舞台になるのはカリブ海とかメキシコシティといった場所だ。でも私は、ロンドンのさまざまな地域(に住むさまざまな立場の人々)と関わり合うという日常の体験の中で、007と同じように壮大でスリリングな展開を描きたかった。

(映画監督の)ジョーダン・ピールは映画『ゲット・アウト』を作った動機について、アメリカにおいて黒人であることはホラー映画の中で生きているようなものだからだ、と語っていた。私がこのドラマを作った理由の一端も、欧米で有色人種が生きるのは、スリリングなスパイ映画の中に捕らわれているようなものかもしれないと思ったからだ。

──『ベイト』はあなたがボンド役を射止めるための「オーディション」だったのでは。

ダニエル・クレイグの場合は映画『レイヤー・ケーキ』がオーディションみたいなものだったしね。世間では次のボンド役をめぐって私の名前が取り沙汰されたこともあるんだけど、もっと話題になってもいいと思うんだ(笑)。

だからボンド映画の権利を持つ(アマゾン・)スタジオで、ボンド役のオーディションを受ける俳優のドラマを作ろうと思ったんだ。みんなが気付くようにね。(他者の潜在意識にアイデアを埋め込む映画)『インセプション』みたいなものだよ(笑)。

本誌インタビューに答えるアーメッド

【関連記事】