日本のライブ会場は「撮影禁止」であることが多く、そのルールはかなり厳格。公演前や最中も係員が立ち、不審な動きはないかと目を光らせている(2月に東京ドームで行われたあるライブでは、撮影していた外国人ファンが係員に「撮影したものを全部消去して」と言われ、ごまかそうとしていたら会場の外に連れ出されていた)。
一方、海外のライブではスマートフォンで撮影OKのことが多く、ファンが撮った映像がSNSを通じて世界中に拡散される。それが新たなファンを獲得するきっかけになったり、金銭的または時間的な理由でライブに行くことのできない層にとって恵みになったりしているとの指摘もある。
4月17日、18日にBTSが東京ドームで行った公演「BTS WORLD TOUR 'ARIRANG' IN JAPAN」(11万人動員)でも、もちろん撮影は禁止。約7年ぶり、7人そろっての特別な公演であり、「海外なら撮影できるのに…!」と残念に思った人もいるかもしれないが、その厳格なルールが大いにプラスに働いた。
ライブ終盤のメンバー挨拶で、RMはこんな風に日本語でコメントした。
「僕は映画館で映画を見るのが個人的に好きです。スマホを消して2時間、一つの作品に集中する。その時間が僕はすごく好きです。今はどこにいても、スマホを見てしまう時代ですよね。だから東京ドームに来ると聞いたとき、すごく楽しみでした。今日はみなさんがスマホよりも、自分の目で僕たちを見てくれました。それが本当にうれしかったです。この2時間、みなさんが僕たちを映画の中にいさせてくれました。そして僕はみなさんのおかげで、映画の主人公になれました。今日この日、ずっと忘れません。本当にありがとうございました。どこにいても、とても恋しくなると思います。心から愛しています」
BTSのメンバーたちは日本に先立つ韓国公演のときから、「スマホを置いて楽しんで」とARMY(ファン)に声をかけていたが、日本では必然的にそうなった(ルール破りがゼロだったとは言わないが)。
日本のARMY(イルアミ)たちは、スマホではなくペンライト「アミボム」を手に彼らに向かって歓声をあげ、一緒に歌い、全力で楽しんだ。BTSにとってもARMYにとっても、かけがえのない時間と空間が生まれていた。