韓国LGESの北米責任者、ボブ・リー氏は、北米にある3つの工場をESS向けに転換していると明かした。米国の電池事業は、EV不況の余波で今後も過剰設備を抱え続けるだろうと話す。

フォードは今後2年間で20億ドルを投じて蓄電部門を設立し、「多様化され収益性の高い新たな収益源を創出する」としている。またGMとLGESの合弁会社であるアルティウム・セルズは先月、テネシー州のEV電池工場を蓄電用のセル工場に転換すると発表した。

工場改造は複雑で高コスト

コンサルティング会社ベンチマーク・ミネラル・インテリジェンスによると、北米の定置型電池の需要は今年76ギガワット時(GWh)に達する見込みだ。しかし、自動車業界がEV電池に大規模投資を行った結果、工場の余剰スペースは約275GWh相当と、それを大きく上回っている。蓄電需要は今後5年間で125GWhへとほぼ倍増する見通しだが、それでもEV電池の余剰生産能力を吸収するには不十分だ。

大半のESSが利用する「リン酸鉄リチウムイオン(LFP)」電池は、北米のEV電池で主流のニッケル系電池よりも安価だ。工場をLFP仕様に切り替えるには、最長18カ月の期間と数億ドルの費用がかかると電池メーカー幹部らは言う。

また米電池メーカーにとっては、中国がLFPの技術とサプライチェーンを支配している点も問題を複雑にしている。電池の国内生産を促進するためにバイデン政権下で導入された税額控除はトランプ政権下でも継続されており、ベンチマーク・ミネラル・インテリジェンスの調査責任者イオラ・ヒューズ氏によると、メーカーはこの適用資格を満たすために中国製資材への依存度を下げようとしている。税控除をフルで享受するには、今後数年で中国製資材を段階的に排除しなければならない。

テスラが先行