[フランクフルト 16日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が16日公表した3月の理事会の議事要旨から、エネルギー価格高騰によるインフレ急騰への懸念がユーロ圏で高まる中、当局者らは拙速な利上げに慎重な姿勢を示していたことが分かった。
ECBは3月18─19日の理事会で政策金利の据え置きを決定。理事会に合わせて発表した基本シナリオでは、イラン戦争の影響は短期間にとどまると想定された。一方、エネルギー価格の急激な上昇や不確実性の増大、国際的な波及を織り込んだ「悪化シナリオ」と「深刻シナリオ」も併せて提示された。
議事要旨は「入手されるデータを注視し、どのシナリオが具現化しつつあるかを評価することで、必要に応じた迅速な政策対応が可能となる」とした上で、「同時に、入手されるデータが悪化シナリオや深刻シナリオの可能性が高まっていることを示唆しない限り、これらシナリオに基づいて性急な行動を取らないことが重要だった」と記した。
INGのマクロ部門グローバル責任者、カーステン・ブジェスキ氏は、議事要旨はECBが利上げに前向きな「タカ派」に転じた一方で、「急いで行動するつもりはない」ことを示していると指摘した。
<4月は時期尚早>
また当局者らは、4月29─30日に開催される次回理事会で、戦争の期間と規模に関するより多くの情報が得られることを期待していたものの、インフレへの影響について結論を出すには時期尚早である可能性があるとの見方を示唆。インフレ期待、販売価格、企業利益、労働市場データ、基調インフレ率、サプライチェーン(供給網)の混乱などを主に注視していくとした。
議事要旨は「これら全ては、状況がベースラインの見通しに沿って推移しているのか、あるいはいずれかのシナリオに向かっているのかを見極める上で役立つだろう」としつつ、「物価安定目標に対する脅威が存在するかどうかを判断するのは依然として難しいかもしれない」と述べた。