Leika Kihara

[ワシントン 16日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のスリニバサン・アジア太平洋局長は、アジアは中東産燃料への依存度が高いため、他地域よりエネルギーショックに脆弱だと指摘し、戦争の長期化で供給不足が起きれば、成長に深刻な打撃が及ぶと警告した。15日のロイターのインタビューで述べた。

アジア経済は2026年を堅調な状態で迎えたため、中東紛争によるエネルギーショックの影響はある程度相殺されており、IMFのアジア成長見通しは1月時点からおおむね据え置かれていると説明した。

一方、エネルギー集約型の経済構造と中東産燃料への大きな依存により、アジアは他地域よりも中東紛争の影響を受けやすいと述べた。「今後はインフレ率の上昇、成長の鈍化、経常収支の悪化が起きるだろう」との見方を示した。

IMFは世界経済見通しの「標準」シナリオで、アジアの成長率が25年の5%から26年に4.4%、27年に4.2%へ鈍化すると予測している。スリニバサン氏は、「逆風」または「深刻」シナリオでは、アジアの成長率が27年までの累計で1─2%ポイント下振れする可能性があるとした。

「これは価格面と数量面の両方に影響するショックだ」とし、紛争が長期化すれば価格上昇だけでなく、各種機械や食品の生産に使われる石油化学製品やガスも不足しかねないと述べた。

価格ショックと供給不足が重なれば影響が増幅し、成長へのダメージは一段と深刻になる恐れがあるとし、「特にショックが一時的でない場合はなおさらだ」と語った。

金融政策について、アジアの中央銀行は経済への影響がより明確になるまで今回のショックを見極めるべきとの見解を示した。一方、「インフレ期待が不安定化する兆候が見られれば、引き締めに着手できるよう、極めて慎重かつ機動的であるべきだ」とも述べた。

また、新型コロナ対応の多額の支出で各国政府の財政余力は限られており、財政支援を実施する場合は、適時かつ最も必要とする人々に的を絞った形で行うべきだと強調した。

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