中国が整備してきた水陸両用の軍用輸送能力は強力だが、それだけでは不十分だ。実際の大規模侵攻は、民間フェリー、貨物船、桟橋部材、港湾、燃料補給地点、荷揚げ拠点など巨大な「コンベヤーベルト」として機能する輸送網に依存する。

この点が、侵攻という概念から「英雄的」なイメージを排除する。ロイターによれば、専用の軍用艦艇と上陸用舟艇で運べるのは初動で約2万人とその装備くらいだ。台湾を制圧するには、30万人から100万人規模が必要と見積もられている。侵攻とは映画に描かれる上陸のようなものではなく、戦火の中を進む極めて工業的なプロセスなのだ。

従って台湾が目指すべきなのは、初撃を無傷でしのぐことではない。コンベヤーベルトを機能不全にできるほどには生き残ることだ。

台湾史上最大の演習となった昨年の「漢光41号」では約2万2000人の予備役が動員され、高機動ロケット砲システム(HIMARS)や天剣ミサイルが初めて投入された。演習ではドローン、高速哨戒艇、機動式の対艦ミサイル、海兵隊による海上侵攻の迎撃が訓練されている。

ここで重要になるのが、アメリカの早期エスカレーションだ。もしアメリカが、侵攻艦隊が完全な態勢で渡海準備を整えるまで待つなら、中国は封鎖と締め付けによって得た「妨害なき準備期間」を活用した上でフェーズ4に入ることができる。

一方で、アメリカが既にフェーズ3で中国の主要な航空基地、センサー、物流拠点、海軍インフラを攻撃していれば、フェーズ4は渡海能力が低下した状態から始まることになる。コンベヤーベルトは滞る。

戦闘は数日ではなく数カ月間
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