Tassilo Hummel
[パリ 14日 ロイター] - 仏高級ファッショングループのケリングが14日発表した傘下のイタリアの旗艦ブランドであるグッチの第1・四半期決算は、中東の買い物客がイラン戦争で消費を抑えて国際旅行を控えたために売上高が前年同期比8%減少した。
中東の売上高は戦争が2月28日に始まる前の1月と2月に伸びていたにもかかわらず11%減少した。
ケリングのアルメル・プル最高財務責任者(CFO)は3月のグループ全体の売上高が中東紛争によって3%減少し四半期全体で1%の押し下げ要因となり、グッチにも同様の影響があったと述べた。
<デメオ氏の戦略計画に注目>
グッチの第1・四半期の売上高は13億5000万ユーロでアナリスト予測をわずかに下回り、11四半期連続の減収となった。調査会社ビジブル・アルファによるアナリスト予測で売上高は約13億7000万ユーロだった。
今回の決算はケリングのルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)が時価総額330億ユーロに及ぶグループの命運を左右する戦略計画を発表する数日前であり、歴史あるファッションハウスとそれを支配するピノー家が直面している課題の困難さを改めて思い起こさせた。
ケリングの株価は今年に入って約8%下落している。
かつてグループの利益をけん引したグッチの第1・四半期の売上高は2023年の水準から半減してしまった。数年間にわたる急激な価格の引き上げ、デザイン美学の変化、経営陣の頻繁な交代が一部の顧客層を遠ざけてしまった。
<中国の高級品需要は依然弱含み>
イヴ・サンローランや宝飾ブランドのブシュロンのような規模の小さいその他のブランドを含むケリング・グループ全体の売上高は為替変動調整後で前年同期比横ばいと、アナリスト予測の5.8%減を上回っており、好調な宝飾品とアイウェアの売り上げが貢献した。
プル氏は重要市場の中国について、高級品の売り上げが前年をまだ下回ったが一部で改善の兆しが見られたと述べた。「中国は良好な環境でないが、われわれが取り組んでいる自身の抱える課題もまたある」とし、来店客数の増加と現地の消費者の関心を引きつけるマーケティングの改善が必要だと述べた。
昨年9月に就任したデメオ氏は資産売却によるバランスシートの強化や化粧品大手ロレアルとの提携拡大を急速に進めるとともに、かつて非効率的だったガバナンス構造を整理しようとした。グッチの復活が軌道に乗っているという具体的な兆候が見られるかどうかに投資家の注目が集まっている。