Philip Blenkinsop

[ブリュッセル 14日 ロイター] - 国連専門機関で途上国の貿易促進を支援している国際貿易センター(ITC)のパメラ・コークハミルトン事務局長は14日、イラン情勢に起因する肥料供給不足が途上国にとって差し迫った不安要素だとの見解を示した。

コークハミルトン氏は「より切迫している問題は肥料で、なぜならそれは食料安全保障に影響を及ぼし、食料安全保障は常に安定の基盤だからだ」と語り、原油や天然ガスの価格高騰も問題だが、中東以外の場所で確保可能な以上、肥料ほど深刻ではないと付け加えた。

イランが管理権を主張し、米国がイランの港湾への船舶出入りを封鎖しているホルムズ海峡についてコークハミルトン氏は、世界に供給される代表的な窒素肥料とされる尿素の3分の1が通過すると指摘した。

その上で「肥料の入手可能性に関しては重大な問題があり、次の十分な収穫量を得るという観点で時間が限られており、その時間が失われつつある」とロイターのインタビューで危機感をにじませた。

ITCによると、ケニアやウガンダ、南アフリカ、タイ、スリランカといったアフリカ・アジア諸国ではペルシャ湾岸諸国が供給する窒素肥料への依存度が最も高い。

肥料供給不足は収穫量の低下につながり、この影響はサハラ砂漠以南のアフリカや南アジアのように生産が降雨状況に大きく左右され、作付け可能期間が短く、農家が投入コストについて敏感な地域で、より顕現化するという。

一方ITCは、特に北アフリカの代替供給国が不足分を補う可能性に言及。エジプトには約16億ドル相当、アルジェリアには約13億ドル相当の新たな輸出余地があると述べた。

ITCは、ナイジェリアやカザフスタン、ブラジル、アンゴラ、リビアなどは石油収入増加が恩恵となるだろうが、カザフを除く全ての国が精製石油製品の純輸入国なので、その恩恵は限定的になると分析している。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。