Andrew Osborn Darya Korsunskaya Dmitry Antonov
[モスクワ 14日 ロイター] - スマートフォンを使ったインターネットができなくなるモバイル通信の遮断についてロシア大統領府のペスコフ報道官は14日、「安全保障上の考慮」から特定の措置を講じる必要があったものの、一時的な措置だと訴えた。その上で「ネット接続の制約が多くの市民に不便をもたらしていることは明らかだが、こうした措置の必要性がなくなれば、ネットへの接続は当然ながら完全に復旧し、通常に戻る」と理解を求めた。
モバイル通信の遮断は数百万人に影響を及ぼしており、ある情報筋はロイターに対してエリート層の一部も憤っていると語った。
ロシアが侵攻したウクライナによるドローン(無人機)攻撃の誘導に利用されるリスクがあるのを理由に、ロシアの首都モスクワではモバイル通信が3週間近く遮断され、他の地域でも定期的に遮断されている。国内の治安は連邦保安局(FSB)が担当している。
米メタ・プラットフォームズ傘下の対話アプリ「ワッツアップ」は完全に遮断され、ロシアで長年好まれてきた通信アプリ大手テレグラムのメッセンジャーサービスも利用が極めて困難になっている。ともにロシアの法律を順守していないと非難された。また、オンラインの検閲を回避するために使われる仮想プライベートネットワーク(VPN)の遮断も強化されている。
大統領府に近い情報筋によると、モバイル通信遮断によって数百万ドルの損失を被った企業からの反発を懸念した、大勢のビジネス志向の元職を含めた高官と銀行関係者がプーチン大統領に対して遮断措置を緩和するよう働きかけた。この情報筋は「大統領府の大部分の関係者がこの問題に苦慮しており、遮断措置は悪影響を及ぼすという主張を裏付けるために会議を開き、文書を作成している」とし、「この状況は(プーチン体制の)忠実な支持者たちを含めた誰もがいら立ちを感じている。これが(さらなる規制への)勢いを鈍らせている。事態がさらに悪化する可能性は極めて低く、むしろ特定の問題を解決するために取り組むことになるだろう」との見方を示した。
ロシア国民の間では物価や税金の上昇、モバイル通信の遮断への不満が高まっており、プーチン氏が率いる与党「統一ロシア」は2026年下半期の下院選挙に向けて支持を固めにくくなると懸念している。
ロシアでは政府主導で、国民が国営ネット企業VKのメッセージングアプリMAXを利用するように促している。ロシア当局は否定しているものの、MAXを利用させることで治安機関による追跡が容易になるとの見方が広がり、国民の反発が生じている。