Kentaro Okasaka

[東京 14日 ロイター] - 百貨店を運営する高島屋、J.フロント リテイリング、松屋が14日発表した2027年2月期通期の業績見通しは、いずれもインバウンド(訪日外国人)売上高の減少傾向が続くと織り込んだ。中国による訪日自粛措置が影響する。一方、国内の高額品消費は堅調と見込み、各社は富裕層顧客の取り込みを図る。中東情勢を背景とした物価上昇圧力は懸念材料だが、株高による資産効果が続くとみている。

高島屋は、27年2月期通期の連結純利益が380億円(前年は81億円の赤字)になるとの見通しを発表した。国内百貨店業の総額営業収益は、既存店の国内顧客が6%増、インバウンドは11%減と見込んだ。インバウンドは26年2月期も前年比18%減だった。

村田善郎社長は決算会見で、中国による訪日自粛措置の影響で中国本土からの訪日客消費が減ったが、周辺国や欧米からの需要が増えてきているとし「中国の減少分がそのまま(影響を)受けている状態ではない」とした。その上で「高市早苗政権の発足とともに株高の影響を受け、富裕層の外商顧客は非常に堅調に推移している。基調としては続くのではないか」との見通しを示した。中間層やサラリーマン世帯、若者も含め高額品の売り上げが好調だという。

J.フロントは27年2月期通期の連結純利益が前年比2.5%増の290億円になるとの見通しを発表した。ショッピングセンター事業の伸長を見込む。百貨店事業は減益見通しで、傘下の大丸や松坂屋の主要店舗では免税売上高が前年比0.1%減になりそうだという。

百貨店事業は、営業利益で前年比1.2%減を計画する。梅田店の大型改装に伴うフロア閉鎖の影響や、大阪・関西万博の反動減が見込まれ、人件費やシステム関連費用の増加も影響する。一方、外商売り上げの強化、改装効果などで増収を見込む。

インバウンド需要は、中国の客数減は継続するものの、円安効果で一定の下支えがなされると見込んでいる。インフレによるコスト上昇や、原油高による消費マインドへの影響は懸念材料とした。

インバウンド依存度の高い松屋は、免税売上高減や構造変化で足元の業績が想定とかい離しているとして、経営計画を見直すと発表した。28年2月期の連結売上高目標を1550億円から1250─1300億円に下方修正した。

森田一則専務は決算説明会で、27年2月期の百貨店事業での中国からの訪日客による売り上げは前年比40%減と見込んでいるとし「中国以外を伸ばすことで、免税売上高全体では10%減程度と想定している」と説明した。中東情勢を受け、ジェット燃料不足で航空便が減便になり、インバウンドに影響を与えないかは懸念していると話した。

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