Kentaro Sugiyama

[東京 10日 ロイター] - 日銀が10日に発表した3月の企業物価指数(CGPI)速報によると、国内企業物価指数は前月比0.8%上昇と、2月(0.1%上昇)から伸びが拡大した。⁠中東情勢の緊迫化やホルムズ海峡の通航制限を背景に、石油・石炭製品や基礎化学品の価格が上昇した。

石油・石炭製品は前月比7.7%上昇。イラン情勢の緊迫化に伴い価格が上昇したガソリン、軽油、A重⁠油などが押し上げ要因となった。

化学製品は同1.7%上昇。ホルムズ海峡での通航制限を受けた⁠ナフサ供給への懸念から、ベンゼン、キシレン、スチレンモノマーなどの価格が上昇した。

日銀の担当者は、石油製品や石油化学製品は2次加工品や3次加工品などまで幅広い品目をカバーしており、中東情勢を背景にした原油価格の上昇が必ずしも⁠反映されていない品目もあると説明した。

市場では、原材料価格の上昇が最終価格にどこまで転嫁⁠され⁠るかが焦点となっている。

SMBC日興証券のエコノミスト、佐藤雄一郎氏は「サプライチェーンの川上では価格転嫁が比較的スムーズに進む可能性が高いが、川中から川下、特に小売段階に近づくにつれて転嫁は難しくなる」と指摘。「消費者マインドが低⁠下している中、値上げが受け入れられにくく、どこまで価格転嫁できるのかが問われてくる」と話す。

<輸入物価指数も上昇幅拡大>

企業物価指数は前年比では2.6%上昇と、2月(2.1%上昇)からプラス幅を拡大した。全515品目中、前年比で上昇したのは365品目、下落は129品目。

日銀の担当者は「中東情勢の帰趨(きすう)も含めた国際商品市況の動向、サプライチェー⁠ンへの影響、企業の価格設定行動、政府による物価高対策の影響を引き続き注視していく」と述べた。

同時に発表された輸入物価指数(円ベース)は前年比7.9%上昇の172.8と、2月(2.7%上昇)から伸びが加速。原油やジェット燃料油などの価格が上昇したことが影響した。

 *日銀の発表資料は以下のURLでご覧になれます。

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