Karen Freifeld Deepa Seetharaman
[5日 ロイター] - 米国防総省は、生成AI(人工知能)「クロード」を手がける米アンソロピックに対し「サプライチェーン(供給網)上のリスク」に正式指定したことを通知した。これにより、対イラン作戦で使用されたという同社技術の利用は制限されることになる。
アンソロピックのダリオ・アモデイ最高経営責任者(CEO)も5日、同省からリスク指定を通知する書簡を前日に受け取ったと明かし、「この措置が法的に正しいとは考えておらず、法廷で争うしかない」と述べた。
国防総省の指定は即時発効し、政府契約業者が米軍向け業務でアンソロピックの技術を使用することを禁止する。
ただ、アモデイ氏は声明で、企業は同省と無関係のプロジェクトで引き続きクロードを使用できると強調。リスク指定の範囲は「狭い」とし、制限対象は国防総省との契約におけるアンソロピック技術使用に限定されると述べた。
「戦争省(国防総省)との契約の直接的な一部としてクロードを使用する場合にのみ適用されるもので、そうした契約を結んでいる顧客企業によるクロード使用全てに適用されるわけではない」とした。
同氏はまた、クロードの使用を停止する計画について同省と過去数日に協議してきたとし、安全策を解除せずに米軍向け業務を続ける可能性についても話し合ったと述べた。
国防総省のエミール・マイケル最高技術責任者はこれに対し、アンソロピックとの間で現在進行中の協議はないとXに投稿した。
マイクロソフトは自社の弁護士がリスク指定について精査した結果、国防総省以外の顧客は「M365、ギットハブ、AIファウンドリーなどのプラットフォームを通じ、クロードを含むアンソロピック製品を引き続き利用できる」と結論付けたと明らかにした。また、国防関連以外のプロジェクトでマイクロソフトはアンソロピックと引き続き協力できると述べた。
アンソロピックは2月末、同省から求められたAI軍事利用の制限緩和を拒否。これを受け、トランプ大統領は27日、全ての連邦機関に対して、同社の技術使用を停止するよう指示した。また、国防総省は同社を「サプライチェーン上のリスク」に指定すると明らかにした。
同省は依然としてクロードを情報分析や作戦計画支援に利用している可能性が高い。ロイターは先に、データ企業パランティアが提供する情報分析・標的選定用のプラットフォームをクロードと連携して利用していると報じた。
サプライチェーン上のリスク指定は、これまで主に外国の敵対勢力に対して適用されており、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)などが対象となっている。