[フランクフルト 5日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が5日公表した2月4─5日開催の理事会の議事要旨で、ECB政策当局者からインフレ率がECB目標の2%を⁠一段と下回る見通しが示されていたことが明らかになった。

ただその後、米・イスラエルとイランの交戦など中東情勢の緊迫化を受けてエネルギー価格が急騰。ユーロ圏⁠はエネルギーを輸入に依存しているため、市場ではECBが年内に利上げに転じる可⁠能性が一部で見込まれている。

ECBはこの理事会で政策金利の据え置きを決定し、市場には政策変更は当分の間ないとの観測が強まっていた。議事要旨では「短期的なインフレ率は、従来想定されていたよりも目⁠標を下回る可能性が高い」と指摘。一方で、「このところのエネルギー価格の変⁠動を⁠踏まえると、単一のデータから強固な結論を導くことには警戒が必要だ」とも言及。「金融政策の観点からは良好な位置にあるものの、スタンスが固定的だとみなされるべきではない」とした。

原油価格の高騰は、少な⁠くとも短期的にはインフレ率の押し上げ要因となる。複数の政策担当者は既に、中東情勢が早期に解決されなければ消費者物価に長期的な打撃を与える可能性があると指摘している。エネルギー価格の上昇は経済成長を圧迫する一方、経済の落ち込みは物価上昇の抑制要因となるため、ECBは⁠ジレンマに直面しかねない。

ロシアのウクライナ侵攻開始後の価格急騰に対しては、金融引き締めの対応が遅れた。今回、長期的なインフレ期待が上昇して大幅な価格上昇が定着すると判断すればECBは対応を迫られ、利上げスタンスに傾く可能性がある。

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