Kentaro Okasaka

[東京 3日 ロイター] - ニデックは3日、不正会計疑惑を受けて設置された第三者委員会の調査報告書を公表した。多岐にわたる拠点で多数の不正が発見されたとし、不正は「いずれも強すぎる業績プレッシャーを原因⁠として引き起こされていた」と認定。創業者の永守重信氏が一部の不正を容認したとの評価は免れないとし「最も責めを負うべきなのは、永守氏であると言わざるを得ない」と指摘した。

創業メンバーで社長も務めた小部博志会長、北尾宜久副社長らが同日付で辞任。責任調査委員会を設置し、第三者委の調査報告で⁠明らかになった事実関係に基づき、現旧取締役らの法的責任の有無を調査・検討する。第三者委は、永守氏や岸田光哉社長が会計不正を指示・主導⁠した事実は発見されなかったとしている。

会見した岸田社長は「重大な会計不正事案を起こしてしまったことを極めて厳粛に受け止めている」と述べて謝罪した。10月末を想定する内部管理体制確認書の東京証券取引所への提出まで、自身の月額報酬をすべて返上するとした上で、「ニデックの再生をしっかりとやり尽くすことに全力を投入させていただきたい」と述べた。

報告書で明らかになった事実を踏まえて責⁠任調査委員会を速やかに設置し、現旧の取締役と執行役員について法的責任の有無を調べる。

報告書は、根本原因は永守氏の経営スタイルの破綻と同氏をけん制⁠する⁠機能の不全にあるとし、ニデック再生には「永守氏の会社」からの脱皮が重要だとした。社外取締役が社内外の監督・けん制機能と連携できる体制を整えることが必要だとも指摘した。

報告書によると、役職員が会計監査人に不正確、あるいは誤解を招くような情報を与え、都合のよい意見を引き出そうとする様子が至るところで観察された。長年にわたり「赤字は悪」との考え方が徹底され、永守氏のトップダウンで⁠決定される業績目標は必達のものと捉えられていた。目標は事業部門や子会社の実力を超えるものだった。

永守氏はヒアリングに対し、十数年前ごろから「ニデックが実力以上のことを達成しようとしているのではないかと思い始めた。このままでは危ないと思ったが、それまで勢いを付けて走り続けてきたものをすぐに止めることは難しかった」と語ったという。

報告書提出時までに発覚した不正などについて、暫定的に試算した2025年度第1・四半期末の純資産に与えるマイナス影響は約1397億円とした。減損の検討対象となるのれん・固定資産の金額は、主に車載事業関連で約2500億円⁠規模になると見込まれる。今後、過去の各年度にどの程度の減損計上が必要なのか精査する。

岸田社長は、手元流動性に問題がないことを強調した。新たに5000億円を借り入れており、25年10─12月期の現金及び現金同等物は前四半期の3445億円から8900億円に増加した。銀行融資枠の6000億円は使用していないという。

第三者委は昨年9月に設置された。一連の事態を受け、永守氏が昨年12月に代表取締役グローバルグループ代表を辞任し、名誉会長に退いた。226日付で名誉会長も辞任し「名実ともに完全に身を引く」と表明した。

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