北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長が欧州各国に対し、ホルムズ海峡の安全確保に向けた具体的なコミットメントをトランプ米大統領が数日以内に求めていると伝えたことが、外交筋の話で9日分かった。
ルッテ氏は、トランプ氏がNATOからの脱退を検討していると発言したことを受け、事態の沈静化に取り組んでいる。トランプ氏は、欧州の同盟国が安全保障面で米国に頼る一方、米国とイスラエルによる対イラン作戦への支援が不十分だと批判している。
3人の外交筋が明らかにしたところによると、8日にホワイトハウスでトランプ氏と会談したルッテ氏は、その要求を欧州各国に伝えたという。
ルッテ氏は8日にワシントンで演説し、対イラン作戦で一部加盟国の支援が当初「幾分遅かった」と指摘。ただ、現時点では「同盟国が多大な支援を提供しているのが見て取れる」とし、「ほぼ例外なく、同盟国は米国が求めていることを全て実行している。トランプ大統領の要請を聞き、それに応えている」と述べた。
複数の欧州同盟国は、ホルムズ海峡での支援に前向きな姿勢を示しているものの、敵対行為の停止と、自国船舶が攻撃されないというイランとの合意が前提だとしている。
NATOのハート報道官は「事務総長はワシントンでの協議について同盟国と連絡を取っている」とし、「米国が航行の自由を確保するための具体的なコミットメントと行動を期待していることは明白だ」と述べた。
ただ、紛争の余波でNATO内の関係には緊張が続いている。ある外交官は「米政府の不満は理解するが、この戦争を始める前にも後にも同盟国に相談はなかった」と述べた。
「NATOとしてイランとの戦争に関与することはないが、同盟国はホルムズ海峡の長期的な解決策の模索で協力したいと考えている。イランとの交渉が続いている中で、これは有益となり得る」と語った。

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