トランプ米大統領は8日、「体制変更」を経たイランと緊密に協力し関税や制裁の緩和について協議していくと述べた。
SNSで「イランと現在、関税や制裁の緩和について協議しており、今後も続ける」と投稿。またイランに軍事兵器を供給する国に対しては、米国への輸出品に直ちに50%の関税が課されると述べた。ウラン濃縮は行われないとし、イランに提示した15項目の計画のうち、多くの点で合意が得られたとも述べた。
投稿では、関税を発動するためにどの法的権限を行使するのか具体的に示されていなかった。米最高裁は2月に国際緊急経済権限法(IEEPA)を用いた広範な関税の導入を違法と判断している。
また、トランプ氏は懲罰的関税に直面する可能性のある国の名前も挙げていない。
中国とロシアはこれまで、イランに対しミサイルや防空システム、防衛技術を供給し、軍事力強化を支援してきた。しかし、今回の米・イスラエルによるイラン攻撃の際には、その支援は打ち切られたように見えた。ロシアに対する疑惑は根強いものの、中国政府もロシア政府も最近の武器供与は否定している。
トランプ氏の訪中を前に、中国製品への新たな関税は米中間の緊張を高めるとみられる。
一方、ロシアについては、2022年のウクライナ侵攻後に課された経済制裁の結果、米国によるロシア製品の輸入は激減している。
米シンクタンク「アトランティック・カウンシル」のバイスプレジデント兼国際経済部門責任者ジョシュ・リプスキー氏は、「これは中国に向けた脅しだ。中国もそのように受け取るだろう」と述べた。ただ、トランプ氏は訪中と習近平国家主席との首脳会談が控えているため、近く新たな関税を実際に発動する可能性は低いとの見方を示した。
また、トランプ氏に残された貿易手段のうち、第1期政権から続く中国製品に対する「通商法301条」に基づく不公正貿易慣行への措置が、新たな関税を迅速に追加するための最も有力な手段になるだろうと述べた。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由