ハンガリーを訪問したバンス米副大統領は7日、オルバン首相をトランプ米大統領の盟友だと称賛する一方、欧州連合(EU)が「選挙干渉」しているとして非難した。オルバン氏が率いる与党「フィデス・ハンガリー市民連盟」は12日に予定される議会総選挙での劣勢が伝えられている。バンス氏によるEU非難は、対イラン攻撃などで広がる米欧間の亀裂を深めることになりそうだ。
バンス氏は記者会見で「外国による選挙干渉の最悪の事例の一つ」が起きているとし、EU当局者らが「オルバン氏を嫌っているため」に「ハンガリー経済の破壊やエネルギー自立度の低下、コストの押し上げを試みた」と主張した。
政権発足から16年となるオルバン氏はロシアのエネルギーがハンガリーに不可欠だとの姿勢を取っており、バンス氏はエネルギーやロシアによるウクライナ侵攻などを巡るオルバン氏の政策を称賛。「オルバン氏とトランプ氏の指導力の下で、米国とハンガリーが体現しているのは西洋文明の防衛だ」と述べた。また、他の欧州諸国もオルバン氏のエネルギー政策に倣うべきだと主張した。
欧州委員会の報道官は「ウクライナに対して残虐な戦争を仕掛けている、極めて信頼性の低い供給国であるロシアからの(エネルギー)輸入に戻ることは戦略的な誤りとなる」と述べた。また「選挙は市民のみの選択だ」と強調した。
バンス氏のハンガリー訪問に先立ち、選挙戦で優勢とされる中道右派の野党「尊重と自由(ティサ)」を率いるマジャール氏はXへの投稿で、外国勢力による選挙干渉に対する警戒感を示した。「ハンガリーの歴史はワシントンやモスクワ、ブリュッセルで書かれるのではなく、ハンガリーの通りや広場で書かれる」と書き込んだ。
オルバン氏は、トランプ氏が初当選した2016年の米大統領選の際に欧州指導者の中で最初に支持を表明。トランプ氏がオルバン氏を「力強い指導者」と持ち上げ、オルバン氏もトランプ政権下でハンガリーと米国との関係が「黄金時代」を迎えていると述べるなど蜜月関係にある。一方、オルバン氏はロシアとも友好な関係を維持している。

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