トランプ氏の独断専行やウクライナ軽視に不満を抱く欧州
米紙ウォールストリート・ジャーナル社説(4月1日付)は「イラン戦争はウラジーミル・プーチン露大統領も成し遂げられなかったNATO崩壊を招くのではないか。欧州が米軍への協力を拒み、トランプ氏が同盟離脱をちらつかせており、同盟解消の道を進んでいる」と危惧する。
「欧州がトランプ氏の独断専行やウクライナ軽視に不満を抱くのは理解できるが、中東不安定化による原油高騰や難民流入、イランの弾道ミサイル脅威に最もさらされるのは欧州自身。英国がキプロスの基地防衛に駆逐艦一隻すら満足に派遣できない現状は欧州の凋落を象徴する」
ロシアとイランは武器やインテリジェンスを共有し、西側に対抗する強力な「枢軸」を形成している。米国のNATO離脱はロシア、イラン、中国を利する「歴史的悲劇」となるとWSJ紙は恐れる。NATO崩壊こそ1949年の結成以来、ロシアが追い求めてきた戦略目標だからだ。
トランプ氏のツボを理解すれば戦争を止める糸口をつかめる
シンクタンク、ECFR(欧州外交評議会)のジェレミー・シャピロ米国プログラム部長は3月31日付で「欧州はいかにしてトランプ氏にイラン戦争終結を迫れるか」と題し出口戦略を論じている。「欧州は大西洋の向こう側から米国の国内政治を直接操ることはできない」
しかしトランプ氏のツボを理解することで戦争を止める糸口をつかむことはできる。トランプ氏は法的異議や戦略的一貫性、同盟国の不満には無頓着だが、ガソリン価格、株価、MAGA(米国を再び偉大に)支持層の世論には極めて敏感だ。シャピロ氏はこう提言する。
欧州が取るべき戦略はトランプ氏に出口を提示することだ。まず停戦こそがガソリン価格を下げる最短ルートだと示し続ける。第二に停戦と連動した海上安定化ミッションへの外交的支援は惜しまない姿勢を明確にする。第三にトランプ氏の虚栄心を満足させる出口を構築する。
トランプ氏は戦争がどのような形で終わろうとも「勝利」を宣言するはずだ。欧州の役割は「勝利宣言」を一日も早く実現させることにある。トランプ氏は欧州との協議なしに開戦したが、欧州はトランプ氏に同盟内の圧力は一方通行ではないことを証明しなければならないという。