上記のデモは「住まいは権利!」を掲げ、家賃値上げの制限や公営住宅の増設を要求している。「住まいは権利」とは、まさにその通りなのだが、総じて日本人は「住」への権利意識が薄い。

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<図2>は、「真っ当な住居を提供するのは、国の責任だ」と考える国民の割合のランキングだが、日本は見事に最下位となっている。自己責任の風潮が強いこともあってか、住居という生活の基盤ですら、「自分でどうにかすべき」と思い込んでいる。借家に占める公営住宅の割合も著しく低い(都内23区だと5.6%)。

<図2>は10年前の2016年のデータだが、徐々に意識は変わりつつあるのかもしれない。「住まいは権利!」を掲げるデモが起きたのは、その表れだ。日本では「住」は不足しているどころか余っている。「住」は全ての人に保証されるべき生活の基盤であって、その供給を市場任せにするのではなく、公の介入(規制)を強化すべきだ。

「言い値を払える人にだけ提供する(貸す)」というようなことを続けていると、空き家と住居難民、具体的には賃貸アパートの空き部屋と、家のない単身高齢者が共に溢れかえるような事態となる。

<資料>
総務省「住宅・土地統計調査」(2023年)
ISSP 2016 - Role of Government V
「ウェルスハック」武蔵コーポレーション

【グラフ】東京23区借家世帯の「年家賃/手取り年収」比率の分布